ありがとう 花に囲まれ クリスマス 感謝の年 来年続け
「ありがとう」と言う声がすぐ近くで聞こえた。道の駅でイベントの屋台出店しているお店に、何かを購入した人が発した言葉のようだ。
今日は日曜日である。一応晴れているが、寒さが一段と厳しくなっていた。その中を小さな川に架かる橋を渡る。その瞬間、十分に冷えた突風が体を突き刺した。思わず体が震える。けど我慢してそのまま向かったのは、階段を上った先にある植物園だ。
「来週のデート下見か、花が好きだと言ってたからな」前の日に初めて居酒屋で、ふたりきりになれた気になる相手。あの時は舞い上がってしまい、会話がカラ滑りした時には焦ったが、彼女の反応は決して悪くなかった。その理由がクリスマスイブのデートにこぎつけたことだ。
「夜はごめんなさい。私クリスチャンなので、イブの日の夜は両親と教会の燈火礼拝に行かないといけないの」
この言葉に少し拍子抜けしたが、今焦っている場合ではない。クリスチャン云々の話は、グループ同士で出会ったころから彼女はしていたから真実だろう。そんなことよりも、もっと彼女といるときが楽しくなれば、クリスマスイブでなくても、やがてそういう時が来るはずだ。
「だったらお昼に遊ぼう」となって、彼女のリクエストを聞くと植物園だった。「ここどう」と紹介したら「行きたい」と言ってくれたので、下見に来たという次第だ。
「へえ、ヤギの赤ちゃんが生まれたのか」近くに住んでいるはずなのに、そんなことも知らなかった。だから最初にヤギを見に行ってみる。「動物はどうだろうなあ」と思いながらみていると、ちょうど子ヤギが母親の乳を必死に飲んでいた。
そのあとはバラ園に行く。季節的に花の数は少なさそうだが、バラだけは咲いているようだ。
「さてと、温室のところに行こうか」次はピラミッド型をした温室に向かう。「何年ぶりかなあ」と思って温室に入ると、如何にもクリスマスらしいものを見つけた。ポインセチアで大きなスカートに見立てたところがある。「フォトジェニックには最適だな」
まだ1週間も先なのに、早くも彼女の写真を撮るのが楽しみになってきた。
「いつもと違うクリスマスが楽しめそうだな」いつもなら夜のイルミの事ばかり頭にあったのに、今年は一味違うクリスマスが楽しめるような気がしたのだ。
「こんな機会を与えてくれたことに感謝だな」本当にそう思った。今年のクリスマスでもっと彼女と近づけたら来年はもっとハッピーになれるのではと。ポインセチアとともに展示しているサボテンを見ながら思わず短歌が頭に浮かぶ。
ありがとう 花に囲まれ クリスマス 感謝の年 来年続け
(ありがとう はなにかこまれ くりすます かんしゃのとし らいねんつづけ)
今日は、こちら小牧幸助さんのシロクマ文芸部という企画に参加しました。
こちらの本日の記事、「河内長野にある花の文化園にクリスマスを楽しもう」というの内容を参考にしました。
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