大それた 知人の動き 秋に知り らっきょう投げ 小さき事か
「え!個人で」私はびっくりした。知っている小さなお店の店主が突然町いちばんの大ホールを貸し切ったという話を聞いたからだ。
「あそこ結構入るよ。ていうかいったい一日借りるのにいくらかかるのかしら」
私は店主がこだわっていることを知っている。そしてアクティブに大それたことをするのも知っていた。とはいえまさか町で最も大きな大ホールを借りるなんて想像もつかない。
ああいうところは有名なアーティストやどこかの企業が主催しているところが借りるものだと思っていたからだ。
「で、何するのだろう」ところが肝心の、借りて何をしようとしているのかはわからない。その店に行けば解るのだろうけれど、私は今町からは遠いところにいて留学中だから確かめようがない。
そのようなことを考えていると、無意識に目の前にあるらっきょうを手にしていた。だが私はらっきょうはは正直苦手、目の前にあるのは貰い物だ。それも話題になっている店主からのいただきもの。
「何するんだろう」思わず私は箸でつかんだらっきょうを少々壁に投げてしまった。ラッキョウは当然ながら壁にぶつかると下に落ちる。私はそれを見て思わず短歌をつぶやいた。
大それた 知人の動き 秋に知り らっきょう投げ 小さき事か
(だいそれた ちじんのうごき あきにしり らっきょうなげ ちいさきことか)
今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:壁に少々らっきょう)
今日はこちらの記事「私費ですばるホールの大ホールを借りた」をモチーフにしています。
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