獅子が舞う その姿にて 魅入られし いつか子どもに 考えた秋
集会所の子ども獅子舞の練習を見ている。見ながらかつてのことを思い出した。それは10年ほどの前のこと。気になる女性から地域の獅子舞を見ようと誘われたのだ。そのとき獅子舞を見るために、わざわざそこに行くことに疑問に感じた。気になる相手だったが、もっと町中で遊びたい。だからそんなデートに否定的なのだ。だから「獅子舞って」と思わず口にしたとき、「あっ」と後悔した。せっかく気になる相手に嫌われやしないかと。
だが彼女は口元を緩ませる。そして「そういうと思った。でもね」といって説明を始めた。地域の獅子舞には数百年の歴史があり、一般的な獅子舞とは違うというのだ。彼女が獅子舞に対する熱い思いに、否定することなく見に行き確かにすごくて感動した。「なんと激しい獅子舞なのだ」と。
そして5年後彼女と結婚する。そのまま彼女の住む実家の近くに引っ越した。古い地域での生活も彼女、今の妻がうまくやりとしてくれてどうにかうまく過ごせている。そして昨年待望の子どもを授かった。今妻といっしょにまだ自分では歩けない子どもと獅子舞を見学している。妻が抱いている小さな子が成長すればいつか獅子舞をやって欲しい。そんなことを思いながら目の前の獅子舞を眺めた。
獅子が舞う その姿にて 魅入られし いつか子どもに 考えた秋
(ししがまう そのすがたにて 魅入られし いつかこどもに かんがえたあき)
今日の記事「河内長野日野獅子舞」を参考にしました。
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