北向かう 道に見えるは カニ挟み 文字とおもちゃ 愛はどこかへ
探検が好きな人は、地図で田園地帯が広がる北を目指すことにした。そこには、昔味見をして気になっていた日本酒を売っていたので、それを買おうと思ったのだ。
事前の調査では片道1時間少し歩くと目的地まで行けそうだが、おそらく色々見ながら歩くから2時間は越えるだろう。
市の北側に広がる地域から森の中に入る。その中に市の境があるので、撮影しようとしたが見つからない。気が付けばすでに隣の市に来ていたのだ。
「何もないのか」と思い、諦めてきた方向に歩く。ときおり車は通るが、基本的に何もない。あるとすれば不法投棄のゴミの山。「令和の世の中にもまだまだこんなバカげたことをする輩がいるのか」と、あきれ返る。
やがて視線に何か看板のようなものが見えた。「何が書いてあるんだ」看板は手書きのようで、激しく汚れており文字は読みにくいが、立ち止まって解読に挑戦。しかしただ首をかしげるしかなかった。
最初の二文字「愛に」これはなんとなくわかる。好きな相手の事を書いていあるのか?そのあとの「カニばさみ」がわからない。可児さんのことか?と想像しながら足元を見ると、両足で挟むように間に小さな赤いカニが見える。
「え、海も沢もないのになんで?」と思ってよく見たら、ゴムでできたカニのおもちゃだった。ひとりで苦笑して先に進んでいたらまた看板だ。そこには、なぜか短歌が書いてあったように見える。最後に愛の文字だけがわかった。「もし、こんなんだったら笑うな」と思って短歌をつぶやいてみる。
北向かう 道に見えるは カニ挟み 文字とおもちゃ 愛はどこかへ
(きたむかう みちにみえるは かにばさみ もじとおもちゃ あいはどこかへ)
今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:愛にカニばさみ)
今日はこちらの記事「河内長野の松ヶ丘北町から上神谷を目指した」をモチーフにしています。
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