料理を好きになれない足取りで、私は100均へと向かった
プロローグ
吾輩は、生粋の面倒くさがり屋である。掃除、洗濯、料理。全てにおいて、家事があまり好きではない。私の家事嫌いをよく知る夫は、私の代わりに率先して掃除、洗濯、料理をしてくれる。
「私よりも、もっといい人がいたはず」
「仕方ないやろ。結婚してしもたし」
こんなやりとり、一体何度したことだろうか。そういえば夫は昔、私に「焼きうどん作って欲しいなぁ」とか言ってたっけ。あの頃は、まだ付き合い始めて数日経った頃だったはず。
慣れない手つきでうどんを醤油で炒め、火加減がわからずすっかり焦げたうどんを「ごめんやけど……」と差し出す。
夫は「うまい!うまいよ!こんな美味いうどん、初めて食べたよ!」と、美味しそうに食べてくれた。
この人と結婚しようと決めた。
◇
いつからだろう。「料理、俺やるわ」と夫がいい始めたのは。きっと私が料理嫌いなのも、ガスコンロが汚れてるからに違いない。
原因を把握したら、善は急げ。私はそそくさと100均へ向い、お掃除グッズを探し求めた。掃除も嫌いな癖に、なぜお掃除グッズを買おうとしているのか。
理由はグッズを買うことで、自分を追い込むためである。私はケチなので、お金を投資したらその分リターンを求めたい。身銭を切れば、どんなに掃除が嫌でも手を動かすだろうと考えた。
購入したお掃除アイテムは?
我らが主婦の味方「キャンドゥ」で購入したのは、メラミンスポンジやお掃除用シート、ブラシなどのアイテム合計4点。
金額は440円(税込)。家事代行サービスを使えば、あっという間に万札が吹っ飛ぶ。使ったことないけれども。セルフならお掃除代も440円で済む。
さあ、お掃除アイテムも揃ったことだし、掃除スタート。まず使ったのは、右上の油汚れクリーナー。
こちらはペーパータイプのお掃除アイテムで、ティッシュのようにサッと使えるのは便利。パッケージにも「力いらずでスルッと落ちる」と書かれており、頼もしそうだ。
いざ使ってみると、ちょっとした油汚れならスッと取れるかも。生地は厚すぎず、薄すぎず。ちょうどいい。ただ、すでにこびり着いた状態の頑固な油汚れにはなかなか効かない気がする。
そこで次に使ったのは、凄腕くんというメラミンスポンジ。
こちらは水を含むだけで、油汚れも取れる感じ。洗剤使うのが面倒なので、水だけで使えるのはかなり助かると思った。
油汚れシートより厚みがある分、力を入れなくても汚れが取れた気がする。
ただ、一つ懸念点がある。それは、スポンジが小さすぎて、力を入れて擦るとすぐに汚れてしまうのだ。頑固な汚れの時はケチらず、もう少し大きいスポンジを選ぶことをおすすめする。
さあ、次の選手行ってみよう。
ステンレス部分にこびり着いた油汚れは、「ガスレンジ2wayクリーナー」のステンレスハード毛が超優秀。擦るほど汚れが取れるので、楽しい。
ただ、毛のステンレスが硬めなのでガラストップのコンロ台へは使わない方がGOOD。傷がついてしまう恐れがあるので。
パッケージ記載によると、コンロ台のツルツルしたところには、反対側のハード不織布部分を使うといいらしい。実際に試してみると、ブラシ部分より優しく。シートよりもしっかり取れる気がした。
すきまブラシは、先端部分でコンロの隙間部分の汚れを取り除いていく。
ガリっと油汚れの塊が取れると、快感だ。
お掃除の結果はどう?
さあ。気になるのは、お掃除の効果である。まずは、お掃除前のガスコンロを見てみよう。
油汚れがこびりついた状態で固まっていました。次に、お掃除後を見てみましょう。
やればできるじゃない。もしかすると私は家事が嫌いなのではなく、「家事をやるまで」が嫌なのかも。
ピカピカのガスコンロを見るなり、ふと思う。これなら今晩の料理も、ワクワクしながら楽しめそう。
◇
夕方、夫から一通の電話があった。
「今日、仕事ある?」
「仕事あった」
「夕ご飯作るの大変でしょ。餃子の王将で、テイクアウトしてきたるわ」
【完】
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