マガジンのカバー画像

詩・小説

6
運営しているクリエイター

記事一覧

小説|ある日の電車で

揺れる電車の中で、吊り革を片手にミルトンの『失楽園』を読んでいた。その韻律は、川のせせら…

mirai naruse
4か月前
27

詩|幾つかの四行詩

ある日の太陽 寝ぼけた顔が 茹でダコみたいと笑ったからか 墨に焦げつく 真昼の陽炎 円い山 …

mirai naruse
4か月前
28

詩|静かな朝、見渡して

太陽が地平を越えると、空は氷河が溶けるように澄み、川は硝子の微塵を撒いたように目覚めた。…

mirai naruse
4か月前
28

小説|十七月の歌

一 その月、僕は世界が微笑むことを知った。 穏やかな陽気に甘い香りが漂い、目をやれば若葉…

mirai naruse
5か月前
23

詩|蒼暮

冬枯れの山路に蒼が差し 夜明けみたいな暮れ 清らかに今日を讃えて それは少女のようだった

mirai naruse
5か月前
23

詩|水辺の蝶

苔生した岩壁に 一匹の蝶がひらひらと 羽根を閉じたり、開いたり 朝の光は優しげに 手のひら…

mirai naruse
5か月前
20