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こころとからだのためのストレスケア~②きほんのマインドフルネス瞑想編~
こころとからだのストレスを手放し、
ストレスを溜め込みにくいこころとからだのための習慣づくりは
より健やかで、ご自分らしい日々のために必須ですね。
そこで今回は【マインドフルネス瞑想】をご紹介します。
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厚生労働省のホームページには、
瞑想は血圧の降下や過敏性腸症候群の症状の緩和、
不安感、抑うつ感、不眠の改善などに効果的であると書かれています。
また、マインドフルネス瞑想の様々な研究機関による結果では、
ストレス低減(ストレスホルモン濃度の低下)や
リラクゼーション効果などとともに
集中力や注意力、観察力の向上、
自他への理解力やEQ(心の知能指数)の向上、
記憶力、判断力の向上、
感情を調整する力やこころの回復力の向上、
また、こころの安定と平静さ、慈悲心を育むなどがあげられています。
私たちは未だかつてない多くの情報に日々さらされ、
その情報を処理することで脳は疲弊し、
さらに他者との優劣、比較に悩んだり、
様々な場での結果・成果を重視されたりと、
こころとからだにはストレスフルな過緊張の状態が続いています。
そしてせわしない日々に、こころ(思考)がとどまることなく、
過去や未来に思考を巡らせ、【今、ここ】に意識がない状態で
やるべきことに追われるような日々を過ごしがちです。
一日の大半をぐるぐると思考の反芻(とめどなく考え事をしている)に
費やすことが多いと、脳疲労を起こす可能性が大きくなります。
過去の仕事や人間関係の上での不快な出来事などを何度も思い出しては
モヤモヤ、イライラしたり、
未来の心配をして不安感をいつまでも引きずってしまったり...
考えても変えられないことについて、
幾度も思考を巡らせ、
悩みや心配、不安感などストレスを増幅させてしまいがちです。
瞑想には、そうしたぐるぐる思考を鎮め、脳疲労を軽減させ、
『幸せホルモン』と呼ばれるオキシトシンが分泌されることが
科学的な研究によりわかっており、
瞑想はストレス解消とともに、幸福感をアップさせてくれると言えます。
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瞑想には様々な種類のものがありますが、
今回ご紹介したいのは「マインドフルネス瞑想」です。
マインドフルネス瞑想は、
約2500年前の原始仏教のヴィパッサナー瞑想を源流としています。
マインドフルネスの父とも言える禅僧ティク・ナット・ハン師により、
宗教を越え、あらゆる人々に日常的に取り入れやすく紹介され、
ストレス社会に多くの悩みを抱えがちな現代人にも取り入れやすく、
やさしく寄り添うかたちで今なお伝えられています。
そして約40数年前にジョン・カバットジン博士により
宗教色を排除し、西洋科学と融合した方法である
「マインドフルネスストレス低減法」が科学的な研究結果を得て、
ストレス低減効果が証明されたことを皮切りに、
多くの人々、企業などでも取り入れられるようになりました。
また、さらに多くの機関による科学的な研究が進められ、
マインドフルネスの実践により「脳疲労」の軽減や
普段は使っていない脳の部位に血液を送り活性化させるため、
低下していた脳の機能を取り戻すなどの効果も実証されています。
さらに、脳内の海馬と呼ばれる部位の容積が密集し、
記憶や認知障害の防止なども期待されています。
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【マインドフルネス】とは
「評価や価値判断を付け加えることなく、
今この瞬間の経験に気づいていること」
一瞬、一瞬、【今、ここ】で起きる状況やこころとからだの反応に気づき、それらをジャッジをせずに、ありのままに気づいていく実践方法です。
日常生活の様々な場面で実践できるマインドフルネス瞑想ですが、
まずは基本である「呼吸瞑想」をご紹介します。
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1.クッションや座布団、椅子などに浅く座り、座骨に均等に体重をかけ、
できるだけ骨盤が立ち、背筋が心地よく伸びる座り方を選びます。
2.心地よい程度に(無理なく)背筋を伸ばしたら、
肩の力を抜いて、手を膝や太ももの上に置きます。
3.目をやさしく閉じるか、うっすらと斜め下を観るように半眼にします。
4.自然な呼吸のまま、吸う息で膨らみ、
吐く息で凹むお腹や胸の動きに意識を置きます。
5.呼吸(お腹や胸の動き)から意識が逸れたら、
また対象である呼吸(お腹や胸の動き)に意識を戻します。
4~5を繰り返すことで、
過去や未来に彷徨うこころ(思考)に気づき、
【今、ここ】に実際に起きていることに意識を置くことが
できるようになり、
集中力が増すとともに、
こころ(思考)の働きがおだやかになり、
こころが落ち着き、安定しやすくなります。
このシンプルな実践方法は、
初心者の方から熟練されている方まで
どなたにでも重要になる瞑想です。
まずは5分程度からはじめてみてくださいね。
大切なことは、
呼吸からこころが離れたら、また呼吸に意識を戻すこと。
こころがあちらこちらと彷徨うことに気づくことが大切です。
こころは彷徨うという性質を持っていますので、
雑念ばかり...などとご自分を責めないことも重要です◎
今、ここにある呼吸は、
命の営みそのもの...
その呼吸に立ち返り、ご自分の一瞬一瞬変化する
こころとからだに気づく実践を通じて、
ストレスやお悩みからそっと距離を置き、
こころ穏やかで安らぎに満ちた日々となりますように…
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