#村上春樹
村上春樹(1988)『回転木馬のデッド・ヒート 』講談社文庫の読書感想文
村上春樹の『回転木馬のデッド・ヒート 』を再読した。再読のはずなのだが、ほとんど何も覚えていなかった。
講談社文庫では1988年、単行本は1985年に出された本である。
わたしの手元にある文庫本は2001年の33刷りで、定価は381円(税別)であった。Amazonによれば、今の定価は638円。倍ではないにせよ、やはり高くなっているのだなあ、と思う。
さて、まずタイトルのすごさにわたしは気が付
庄司薫(2000)『バクの飼主をめざして』中公文庫の読書感想文
庄司薫のエッセイ集『バクの飼主をめざして』を再読した。1973年6月に講談社より出版された本で、わたしの手元にあるのは2000年の中公文庫版であった。ちなみに表紙のイラストは、奥様の中村紘子さんによって描かれたものだ。
庄司薫は1937年生まれで、1958年の21歳のとき、『喪失』で第三回中央公論新人賞を取って、1969年32歳のとき『赤頭巾ちゃん気をつけて』で芥川賞を受賞している。赤頭巾ちゃん
#読書感想文 マイケル・ギルモア(1996)『心臓を貫かれて』
マイケル・ギルモア、村上春樹訳の『心臓を貫かれて』を読んだ。1996年10月に文藝春秋より出版された単行本である。
父親による暴力に苦しんだ家族の物語である。被虐待児であるゲイリー・ギルモアは数々の犯罪を犯し、死刑を言い渡される。死刑制度を復活させたユタ州で、ゲイリーは上告せず、死刑執行してほしい、と州に対して主張した。そのことで、一躍時の人となった。
暴力は連鎖し、トラウマは遺伝する、という