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残像に口紅を/筒井康隆
筒井康隆さんの小説
「残像に口紅を」を拝読しました📖´-
(2023,12,13 読了)
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ずっと気になっていた本をようやく拝読することができました。
筒井康隆さんの作品は今回がお初。
だいぶ前に書かれたものですが、色んな方がご紹介されていたようで度々話題に上がっていた本です。
主人公は作家。
章ごとに文字が消えていき、消えた文字を含むモノたちも消えていくという物語。
メタフィクションという技法をもちいた実験的小説なのだそうです。
文字が消えていけば消えていくほど、言葉がまわりくどくなっていくのでなかなか読み進めるのが大変でしたが、先がどうなるのかがとにかく気になり半分雰囲気でなんとなく読み進め、読了後はフルマラソンを走り抜けたような達成感がありました。フルマラソンを走ったことはないですが。
なんというか…
筒井康隆さんの語彙力と筆力にただただ慄くばかり。
日本語の表現の仕方ってこんなにたくさんあるものなんだと感心してしまいます。
文字が消えていくごとに言葉はまわりくどくなるけれどきちんとそのシーンを頭で映像化でき、交情シーンなんかは逆にエロティックさが増しているようにすら感じました。
文字が失われていくことで言葉がまわりくどくなっているのに関わらず言葉が研ぎ澄まされていくのも不思議。
当たり前のものがなくなっていく苦しさもあるのですが、普段世の中には無駄なものがどれだけ多いのだろうとも思えてしまいます。言葉も物質も情報も。
無駄なものが蔓延る世の中にいると本当に大切なモノを見失いがちだなとも。
いかに自分がそれを大切に思い、それに大きな感情を籠めていたかがわかるのは、それが失われた時、または失われてのちのことだ。
また本作では虚構と現実についても考えさせられます。
上手くは言えませんが…
結局現実は自分が創り上げた虚構でしかなく、思い通りの人生にするかしないかも自分次第なんですよね。
思い通りの人生になっていないとしたら、その思いを心の底で否定している自分がいるからなんだと思います。
なんとも感想を述べるのが難しい作品ですが、私にとっては哲学的な物語でした。
改めて自分の生き方を見つめ直したくなりました。
思い通りの人生になるか、私も実験していこうかな。
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