げんじものがたり/いしいしんじ
いしいしんじさんの古典現代語訳
「げんじものがたり」を拝読しました📖´-
(2025.1.14 読了)
現在、「源氏物語/紫式部、谷崎潤一郎(訳)」の輪読会 at読書会すみれ に参加しているところでして、そもそも「源氏物語」をきちんと拝読したことがなかったので、これを機に関連する本も少しずつ拝読していこうと思っているところです。
そんな中見つけたのが大好きな作家いしいしんじさんの現代語訳。
昨年から読みかけて一時中断していたのですが、今年はなるべく月一で「源氏物語」関連の本を拝読していこうと思い立ち、やっと読了しました。
「桐壺」〜「葵」までの9帖を京都弁で現代語訳した一冊です。
帯に「源氏物語」の原文に忠実とありますが、いしいしんじさんらしさを感じるオマージュ作品のようでもあります。
堅苦しくなく、ユニークに「源氏物語」を楽しめますが、そんな中で人々の切なさや苦しい心情もうまく描かれているなと思いました。
何よりも登場人物がどんな人たちなのかがわかりやすいので、親しみが湧いてきます。
今のところ、というか本作を拝読した限り私は光源氏のことはどうも好きになれません。
それよりもやっぱり光源氏に関わることで苦しむ女の人たちに思いを寄せてしまいます。
特に六条の御息所。賢くて美人で身なりもキチッとされている方なのに、嫉妬に狂って生霊飛ばしちゃうほどになってしまうなんて。
大体ね、光源氏は完璧な女性にあまり優しくない。あんなに思い焦がれている藤壺にだって結構酷いことします。本当に好きなのかと疑いたくなるくらい。
反面、不細工さんのことはコテンパにディスるのに案外優しい一面を見せたりもします。
末摘花の素顔を遂に見てしまった後の光源氏の心の声と接し方を少し抜き出してみました。
いや酷い。いくら美男子やとしてもここまで人の外見をディスるだなんて。
不細工さんに優しくする自分に酔っているのではとすら思えてきます。
というか、この人結局自分以外の人にあまり興味なくて、自分本意に生きて人はみんな自分のための脇役くらいにしか思ってないんだろなとすら思えてくる。
でも、ここで前に拝読した坂井順子さんの本を思い出しました。
紫式部の欲望がここに現れているという読み方もできますね。
そう考えるとまた面白い。
外見にコンプレックスがあるが故に不細工さんに対して嫌悪感を顕にするものの、不細工さんが美男子に優しくされるというシュチュエーションに憧れもあるのかもしれませんね。なんとも複雑な乙女心。
谷崎潤一郎訳の「源氏物語」を拝読してても現代でも同じような悩みや苦しみや問題ってあるなとは感じていましたが、いしいしんじさんの訳で拝読すると、「げんじものがたり」がもっと具体的に現代のSNS社会にも通ずるものがあると感じました。
改めて「源氏物語」深いなぁ。
谷崎潤一郎訳での輪読会はまだまだ続きます。これからもっと深く多くのことを知れるでしょう。
そして、いしいしんじさんには続きの現代語訳もやって欲しい!!いしいしんじワールド全開の「げんじものがたり」の続き拝読したいです。
よろしくお願いします。
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