小説『だから優雅にティータイム』
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おとといの夜、失恋をした。
「話がある」とデートの別れ間際に突然彼に呼びとめられて、「どうしたの?」と訊けば、「他に好きな人ができた。ごめん」だなんて、あまりの衝撃にわたしはそのあとうまく言葉を返せなかった。怒りよりも、悲しみよりも、ただただひたすらショックを受けて、よりによって雨の降りだした道を、わたしはひとり、傘もささずに歩いて帰った。
帰ってから、なんで今日言うのよ、と腹が立った。
明日も仕事があるのに。失恋休暇なんて、そんなシャレた制度の無い会