市野 真愉 mayu ichino

小説を書いています。ときどきエッセイも。

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マガジン

  • エッセイなど、いろいろ

    他のマガジンに含まれないエッセイや日記、雑記などをまとめています。

  • おいしいものから生まれる小さなストーリー

    「おいしいもの」から想像した小さなストーリー(小説)&エッセイ集です。

  • 小説『うすあかりの部屋』

    小学生の頃からの幼馴染である咲希と香奈と鈴子。中学生になり、それぞれ進学する学校は別々になったけれども三人の友情はずっと続いていた。しかし高校生のとき、咲希は自ら命を絶ってしまう。そのことを胸のわだかまりとして抱える香奈と鈴子。そうしたなか、彼女らも自身の抱える悩みと向きあっていく。(長編小説:全章約16万字)

  • 詩集

    昔書いた詩、最近書いた詩、詩のようなものをまとめています。

  • 日記

    気まぐれに書く日記です。

最近の記事

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作品紹介 #小説

これまで投稿してきた小説のなかで、すこし長めの作品を紹介します。 ・・・ 『ことりぱたぱた、ちょうひらひら』(約3.8万字) ちょっと転んだなあと思ったときや想定外のことが起きたとき、焦ってすぐに次の行動をおこすよりも前に、ちょっと一休み入れるのがいいよね、なんて日頃思っています。寄り道や休憩はおおいに良しで、それがあるからこそ新たな一歩が踏み出せたり、新たな興味がわいてきたり、あるいは新たなチャンスや流れがやってきたりと、肩の力を抜いてすすんでいくのが結構大切だなあと

    • 愛犬とはじめての旅行

      子どものころ、愛犬とはじめて一緒に長野県の軽井沢へ旅行したときのことだ。 当時は今のように犬も一緒に泊まれる宿は少なく、両親がようやく見つけてきたのは、森林のなかに佇む貸し切り一棟のコテージだった。 すごい!コテージだって!と、当日、父の運転する車でワクワクしながら宿へ向かったのだったが、到着して目の前にあったのは、みるからに古びたおんぼろ小さな一軒家だった。 なにこれ、聞いていた話と全然違くない…?と家族みんなで蒼白になっているなか、愛犬だけが大はしゃぎ。尻尾ふりふり

      • note近況

        一昨昨日、「おいしいものから生まれる小さなストーリー」をひとつ追加しました。 これで全14品で、あともう一品だけ取り上げたい「おいしいもの」があるので、最終的には15品で終わらせる予定でいます。その最後のおいしいものについては、年内か年度内か来年中に書けたらいいなあとゆったり考えています。 ちなみにこのおいしいものシリーズ。 およそ何文字内におさめるといった文字数の縛りを自分に設けなかったので、作品によって文字数がかなりマチマチとなっています。 ゆえに、きのう投稿した鳩

        • エッセイ『豊島屋の鳩サブレ―』

           鎌倉市民でも神奈川県民でもない自分だけれど、鳩サブレ―にはなぜだか子どものころから親しみがある。なんかいい、と思えるような親しみがある。    それは、鳩サブレ―の愛らしさのせいかもしれない。    あのまんまるふっくらとした、曲線を描いたような鳩のフォルム。小さなつぶらな瞳もかわいい。デザインのシンプルさもいい。そして、言わずもがなのあのおいしさ。  バターと卵の風味ゆたかな生地は、食感サックサクで、けれど硬くはなくて、歯を軽く当てるだけで中身はほろほろっと崩れていく。

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        記事

          小説『のりこさんとみつこさん』

          ******  のりこさんは今日、半休をとって、みつこさんとふたりで鎌倉にやってきました。  日帰り旅行というほど大仰なものではなく、ただふらりと目的の場所にいって、目的のものを食べて、目的のものを買ったら帰りましょう、というささやかな、いうならば、ほんの思いつきのお出掛けといったところでしょうか。  本当のところ、のりこさんは今日、ひとりで鎌倉に来るつもりでしたが、うっかりおとといの昼時、みつこさんにそれを話したら、「わたしも行く」と参加表明され、まあ、みつこさんなら

          小説『のりこさんとみつこさん』

          詩『みちくさ』

          いったい、なにを、したいのだろう ずっと、みちくさばかり、している ようなきがする ほんとは、したいこと、わかっているはずなのに ずっと、みちくさばかり、している ようなきがする ひょっとしたら ここは、めいろ、なのかもしれないな ならばいつかはきっと でぐちだって、みえてくるのかも、しれないな それまで、ひとまず、はなうたうたって るるるるる いまは、いみなどさがさず るるるるる

          日記/7月のあれこれ

          7月*日 自分のnoteをみていたら、やたら見出し画像にマルが多いな、と思った。ヘッダーも水玉模様だし、見出しにもマル、マル、マル。べつだん自分は集合体恐怖症ではないのだけれど、それに気がついたらちょっとゾッとした。ので、この日記の見出し画像を今回からくるくるデザインに変えてみたけれどもどうだろう。ひとまずこれで試して、しっくりこなかったら変更するとしよう。 7月*日 髪の毛をカットしに美容院に行く。いつもの感じでお願いします、だけで伝わる安心感に毎度ありがたさを思う。

          日記/7月のあれこれ

          おいしいものから生まれる小さなストーリー(小説&エッセイ)

          『おいしいものから生まれる小さなストーリー』は、実際にあるお菓子等を物語の種として、そこから思い浮かんだストーリー、そしてエッセイを書き綴ってきたものです。 このたび新作を加えて、ぜんぶで13品になりましたので、改めて一覧にしてまとめてみました。(追記9/8:もう1品追加しまして、現在全14品になりました) 気になる「おいしいもの」がありましたら、 ぜひお読みいただけましたら幸いです。 *** ◇第1話 romi-unieのジャム◇ ◇第2話 YOKUMOKUのシガ

          おいしいものから生まれる小さなストーリー(小説&エッセイ)

          エッセイ『ユーハイムのバウムクーヘン』

           いまでこそ、いろんなメーカーのバウムクーヘンを知るようになったけれど、子供のころから馴染みのあるバウムクーヘンといえば、やはりユーハイムのバウムクーヘンだ。  あの外壁がうすいホワイトチョコレートでおおわれた、木の年輪を思わせる美しいバウムクーヘン。子供心にも「おいしそう」とわくわくした記憶は大人になった今でも変わらず、あのホワイトチョコレートでコーティングされた年輪をみると、なんだか胸がワクワクしてしまう。  そして子供のころはさして気にもしていなかった原材料だけれど

          エッセイ『ユーハイムのバウムクーヘン』

          小説『年輪はやさしく甘く包まれて』

          ******  子どものころからいつも、家に帰るとまず聞こえてくるのはピアノの音楽だった。  母は自宅の居間をつかって小さなピアノ教室を開いていて、ぼくがランドセルを背負って帰宅するころにはまだレッスン中で、ドアを開けるといつも、誰かの弾くたどたどしいピアノの音だけが聞こえてきた。 「ただいま」とぼくはいつも口のなかだけで小さく言って、自分の部屋に行く道すがら、居間につながるガラス扉をそっとのぞいた。普段、テレビを見るときにくつろいで座るための革張りのソファがあって、そ

          小説『年輪はやさしく甘く包まれて』

          日記/6月のあれこれ

          6月*日 自転車の前カゴに乗せられた柴犬をみかける。見事に、みっしりむっちりとカゴにおさまり、前方を悠然と眺めながら、颯爽と走りさっていく。飛び出しそうな気配はまったくなく、柴犬さんは当たり前の顔で向かい風を受けて座っている。偉いなあと思う。よくおとなしく乗っているなあと思う。ワンコは、ただ居るだけで、偉いなあ、尊いなあ、と思うときもある。そんな視点を自分にも向けられたなら、生きるのもっと楽なんだろなあ、とも思う。 6月*日 ひさしぶりにバナナジュースを作って飲む。凍ら

          日記/6月のあれこれ

          詩『ソーダ水』

          栓をあけたら、プシュッ! シュワワワワー 小さなあぶくが無数に生まれて はじけて消える シュワワワワー シュワッ シュワッ シュワッ 透明なソーダ水には 新鮮なレモンをきゅっと絞って そして水面でおどる微細な泡に ぴちぴち 上唇をくすぐられながら ごくごくと(ぷはー) 暑い季節はソーダ水の季節 これからまさにソーダ水の季節 って、普段はあまり得意じゃないんだけどね この季節だけは不思議となぜだか ソーダ水が飲みたくなるのよ

          おやつメモ 

          おいしかった『おやつ』をメモしていきます。 ・・・ パイナップルケーキ(サニーヒルズ) まえから気になっていた台湾発のスイーツブランド「サニーヒルズ」のパイナップルケーキ。立ち寄ったデパートでコンパクトな二個入りのものを見かけたので、いそいそと購入してみました。※二個入りは催事や出店の際の限定サイズだそうです。 ちなみにサニーヒルズのパイナップルケーキは、厳選したこだわりの材料を使い、パイナップル100%の餡で作られているそうです。 それでは、早速実食!さっくりした

          日記/5月のあれこれ②

          5月*日 立川のPLAY! MUSEUMで開催中の『ふたり 矢部太郎 』展を観にいく。「大家さんと僕」の漫画、ひとコマひとコマがパネルになって展示されているのをゆっくり歩きながら読んでいく。その合間合間にアクリル絵画が展示されている。その色合いのなんて優しいこと。ふわあっとした綿菓子みたいに思う。全体的にほのぼのした空気感のある展覧会で、再び、大家さんと矢部さんとの優しい交流を垣間みることができ胸が温かくなる。この展覧会のために描き下ろしたという「昼寝姫」もかわいくて、なん

          日記/5月のあれこれ②

          日記/5月のあれこれ①

          5月*日 歩いていたら、ふわっと良い香りがした。みると、薔薇だらけのお宅があって、家のまわり本当に見事に薔薇だらけで、あたりに甘い匂いを放っている。通り過ぎさま、思わず鼻孔を広げるようにして薔薇の匂いを嗅いでしまう。ああ、いい香り。気持ちがふわっと和らぐ。しあわせをお裾分けしてもらったような気分になる。 5月*日 朝、いつも起きる時間より一時間以上早く目が覚めてしまう。そのまま起きて、軽く部屋を掃除して、窓をあける。朝の澄んだ空気が部屋のなかに流れ込んでくる。すこしひん

          日記/5月のあれこれ①

          おやつメモ

          おいしかった『おやつ』をメモしていきます。 ・・・ パウンドケーキ(焼き菓子工房KIJIMA) 自然食品店でみつけた焼き菓子工房KIJIMAのパウンドケーキ。国産有機小麦粉やグラスフェッドバター、平飼い卵等、こだわりの材料で手作りされているそうです。カット売りで日持ちもするので、今回、気になる味をいくつか購入してみました。 まずは「バナナ」。果物って、基本そのまんまが一番好きなんですが、バナナに関してだけはバナナジュースやケーキといった加工品が結構好きです。で、早速ワ