人生経験は顔に出るのか5
前回まで、人間の顔についての考察をしてきて、以下の結論に辿り着きました。
感情の起伏が多く、感情を発露する機会も多く、顔の表情筋が鍛えられている状態が貫禄である、というのが私の結論です。
今回はその例外について述べていきます。
クレーマー老人
クレーマー老人は喜怒哀楽の発露が、特に、怒りの発露が多いのですが、貫禄が一切ありません。
なぜクレーマー老人に貫禄が無いか。
武将役の俳優にも怒りの発露はあるはずです。
違いはどこなのか。
老人は「とにかくなんとかしろ」と言うからだと私は見ています。ゆえに貫禄が無いのだと。
武将は「とにかくなんとかしろ」とは言わないのです。
近所の子どもの声がうるさい。
とにかくなんとかしろ。
武将がこんなもの言うはずが無いでしょう。
武将ならばチャンバラが出来る場所を確保して、そこでチャンバラをさせるはずです。
もし子どもの声がうるさくて眠れないようなら、隠居して隠棲しているとも思いますね。
パワハラ上司
パワハラ上司にも、クレーマー老人と全く同一のことが言えます。
部下がしくじった。
とにかくなんとかしろ。
武将がこんなもの言うはずが無いでしょう。
退却を命じるか、援軍を出すか、どちらかです。
もし本丸を攻められても、自分の首で収める。
部下の助命嘆願のためです。
人命よりも御家のほうが大事な時代です。
ブラック上司は人命よりも社名が大事だと正当化する分、クレーマー老人より悪質です。
「自分の命を差し出すぐらいの気持ち」は、自分の命を差し出すと同義ではありません。
似て非なるものです。
自分の命を差し出せばそれでいいや、で誤魔化すのも認めません。
部下の助命嘆願という目的を欠くからです。
武将は目的の無い自暴自棄をしないのです。
ブラック社畜
ブラック社畜は、パワハラ上司の皺寄せを同僚にぶつける場合、クレーマー老人やパワハラ上司と大差がありません。
人が足りないからしょうがない。
とにかくなんとかしろ。
上下関係じゃないからパワハラじゃない、という理屈は、違法ですから通りません。
労働上の関係でしかないものを、ごちゃごちゃと喚くのは、無駄であり、かつ、有害です。
裁判のハードルが高い現状を悪用した暴言です。
人が足りるように要求するべきなのです。
武将が援軍を要求するように。
そんな要求さえ通らないようならブラック企業は片っ端から潰すべきです。
そんなことを言って、本当に潰れたらどうするのか、というのがブラック社畜の悪い癖です。
ブラック企業を潰して何か不利益がありますか。
ブラック企業からは抜け出すべきです。
美濃三人衆のように。
武将ならどうするか
喜怒哀楽の発露が、貫禄を生みだすという仮説に対して、例外を述べてきました。
クレーマー老人、ブラック上司、ブラック社畜の三者に言えるのは、「なんとかしろ。」と言ってしまうところです。
「なんとかしろ。」じゃないんだ。
「なんとかする。」なんだ。
という根性論でも無いのです。
それはブラック上司やブラック社畜です。
武将は適宜、援軍を要請します。
織田家ですら徳川家に援軍を要請するのです。
織田家は何故衰退しましたか。
本能寺の変ですね。
羽柴の援軍に駆けつける真っ最中に明智の謀叛があったからです。
援軍を要請する、援軍に自ら行く。
人間が足りない状態にはしないのです。
人間が足りない状態ならば、人間が足りる状態にするのです。
戦況は変わるから変えるのです。
変えられないなら引退するのです。
まとめ
どうやら自分の置かれた環境に甘んじている人間には貫禄がつかないようです。
自分の置かれた環境が不利なら変える。
変化させることによる利益を得る。
これが貫禄をつけるコツということになります。
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