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俳句

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俳句を始めました。 ご指導よろしくお願いします。
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#つくってみた

【俳句】ストーブ 冬蝶 千鳥

【俳句】ストーブ 冬蝶 千鳥

ストーブを父が見つめていた深夜

ある夜、人の気配がして起きてみると、居間に明かりがついている。
そっと覗くと、父がひとり、じっとストーブの炎を見つめていた。
普段はそんな気配を見せない父にも、己の来し方、行く末に思いを馳せる、そんな時間があったのだろうか、

冬蝶や母には広しストレッチャー

病院の廊下でベンチに座っている。
向こうから看護師がストレッチャーを引いてくる。
かけられた毛布の下から

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【俳句】冬の暮 北風 師走

【俳句】冬の暮 北風 師走

おかえりがただいまを待つ冬の暮

冬の早い日暮れ。
家路を急ぐ人々がいる。
その先には、おかえりと言ってくれる人が待っているのだろうか。

北風吹けど涙は昨日明日は明日

北風が吹きつける。
辛いこともあるが、涙は昨日においておく。
明日は明日。
前を向いて歩き出そう。

シネコンを出でて師走の空青し

師走の慌ただしい中、映画を見た。
終わって外に出てみると、清々しい青空。
忙中閑あり。

【俳句】冬帽子 時雨 冬の雨

【俳句】冬帽子 時雨 冬の雨

冬帽子ふたつ並んで影ひとつ

冬の帽子をかぶって歩く2人、ぴったり肩を寄せ合って影はひとつになっている。

しぐるるを眺めて妻と黙りおり

降っては止み、降っては止みを繰り返す空。
ぼんやり眺めていると、いつの間にか妻も隣にいた。
2人で何も言わずに窓の外を見つめていた。

カーテンを開けることなく冬の雨

朝から外は雨。
冬の薄暗い空。
カーテンを開けることなく、1日が終わろうとしている。

【俳句】枯葉 冬紅葉 冬夕焼

【俳句】枯葉 冬紅葉 冬夕焼

三階の校舎の隅の枯葉かな

校舎の3階。
人気のない廊下の隅に枯葉が数枚固まっている。
どこから舞い込んできたのだろうか。
誰が掃除するのだろうか。
それでも、いつの間にか消えている枯葉。

校庭の行きどころなき冬紅葉

校庭の真ん中で、行き場を失ったように紅葉が舞っている。
生徒たちは、紅葉のことなど見向きもせずに走り回る。
彼らが走りすぎると、また舞い上がる。

単語帳借りて返して冬夕焼

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【俳句】秋思 暮の秋 ハロウィン

【俳句】秋思 暮の秋 ハロウィン

鉄棒にぶら下がりたる秋思の子

友だちから離れてひとり鉄棒にぶら下がっている子。
ただ、空を眺めているだけのあの子は何を思っているのだろうか。

ひとすじの風に襟立つ暮の秋

ひとすじの風が吹き抜けて、思わず薄手のコートの襟を立てる。
まわりを見ると、皆同じように襟を合わせていた。
秋が終わろうとしている。

ハロウィンの明けて砂場にまりひとつ

ハロウィンが正確には季語なのかどうか。
祭りの後の

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【俳句】夜業 夜長 金木犀

【俳句】夜業 夜長 金木犀

二階より夜業の父の帰り聞く

受験生の頃、2階の自室で深夜まで勉強していると、残業の父がガタゴトと玄関の鍵を開けて帰ってくる。
母と妹はもう寝んでいる。
下りていくと、父は「おう」としか言わず、こちらも、「お帰りなさい」が照れ臭くて、「うん」と返事をする。
黙って、急須にポットから湯を注いだ。

いい話子に語らせて夜長かな

父は仕事から帰って来ると、時々、
「何かええ話ないか」と尋ねてきた。

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【俳句】十六夜俳句参加します

【俳句】十六夜俳句参加します

さあれどもさもありなんと秋時雨

秋雨の上がりて妻の誕生日

世の果ての音色もかくや秋風鈴

初めての俳句です。
見よう見まねで作りました。
よろしくお願いします。