第6回「トラウマによる解離からの回復」レジュメ

2021年1月中ごろから「トラウマケア系研究会」という名前で研究会を作り、メンバーを募集しました。
この研究会はひとつのテキストを読んで終わりという形式ではなく「トラウマケア」というテーマで継続的にさまざまな本や論文を読んでいきます。
参加メンバーはトラウマケアやスキーマ療法や愛着問題に関心のある人を募りました。今回の課題図書である『トラウマによる解離からの回復』では、他分野交流をしたかったため、院生またはそれに準ずる有識者に声をかけてレジュメ担当してもらうことになりした。

●説明書

●前回までのレジュメ

●前回までの議論

●今回のレジュメ

今回は、看護師として臨床にも研究にも携わっている平木さんにレジュメを担当してもらいました。

前回までで、解離としてパーツが生まれる(分離が起こる)仕組み[1-2回]、パーツがとはどのようなものなのかの説明[3回]、特定のパーツや症状にはどんな特徴があるのかの具体的な理解として愛着パーツ/自己破壊パーツ/解離性同一性障害[4-5回]を扱いました。

今回の範囲では、これまでのところで解説された様々なパーツたちへの治療の大枠の方針を様々な事例とともに学んでいきます。

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●主な論点


①この章で出てくる表現や技法とスキーマ療法との類似


②「過去に戻る」のでなく「いまに連れて来る」という本書のスタンスとEMDRやホログラフィートークが現在と過去について逆の方針を持っている


②’「過去に戻る」のでなく「いまに連れて来る」という本書のスタンスとスキーマ療法や自我状態療法について


③「会いに行く」のではなく「ここに」パーツたちを招待する、パーツが細分化されすぎていたり十分に輪郭をつかめていないと、対話すること自体が難しい


④「そのときにもどって誰かが手を握ってくれることを想像するのではない」と主張する著者に違和感


⑤「情緒的なつながりを促進するために感覚を使う」ことについて、難しい。よくわからない。これまでの技法より少し次元があがった?


⑥「パーツの身体感覚に注目して、知的な解釈をしない」って前と言ってること矛盾しない?


⑦幼いパーツが決して忘れ去られることがないようにクライアントに思い出させるというのはクライアントにとってかなり負担なのでは?


⑧「前頭前皮質」的なものはあくまで非ブレンド化の段階で用いるか、または、大人の観察者としての視点であって、実際に進行するパーツとの内的な愛着関係形成の段階では使わない(そちらにかかりきりにならない)ものだろうか?


⑨看護倫理のケアリングとの関連について


サポートありがとうございます。みなさんのサポートは、スキーマ療法や発達障害、当事者研究に関する書籍の購入やスキーマ療法の地方勉強会、ワークショップ開催などの費用に充てたいと思います。