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物流危機、2024年問題…命をつなぐ毎日の食事を全国津々浦々に!私たちの挑戦。


トラックドライバーの働き方改革に関する法律が2024年4月から適用される一方、物流の停滞が懸念される「2024年問題」や、ガソリン価格の高騰、常態化するドライバー不足など、在宅向けサービスも施設向けサービスも切っても切れない、物流問題。だけど、そんな社会問題がそこにあるからこそ、ふつふつと闘志がわいてい来るのがモルツウェル。10月からごようきき三河屋事業の初の女性管理職として、采配を振る青山さんに、その取り組みをインタビューしました。


1)ごようきき三河屋が生まれた背景を教えてください。

モルツウェル㈱の創業は、「街のお弁当屋さん」がスタートです。1996年に持ち帰り専門だったほっかほっか亭全国FCチェーンで初めて「温かい弁当宅配システム」を開発導入(※当時、ほっかほっか亭本部経営企画員だった中村利江氏(㈱出前館前会長)と共にほっかほっか亭が全国に展開した宅配システムを共同開発)し、創業2年目、学園通り店(島根県松江市)18坪で月商1,300万円〝売上高日本一〞(全国3,400店舗)に導いた後、既存店の買収再生を主に山陰中央部に7店舗をドミナント出店。子供の店頭来店客数が急激に減少と同時に、独居高齢者のデリバリーが増える自社データを基に、平成16年 中食産業の潮流はシニアに傾くと予測し、在宅高齢者弁当配食サービス事業会社ウェル・ビーイング有限会社を設立しました。


楽しみにされているのは、365日の食事とスタッフとの少しの会話。


しかし、
「安否確認つき在宅高齢者配食サービス」事業は、冷たくなった人を発見する過酷な仕事。社会から孤立する人、生きる意欲を無くしている人、老いは誰もが行く道。国のため、家族のために一生懸命に働いてきた先人が「何の役にも立たないわしなんか早く死んでしまえばいい。」誰も知らない暗い部屋でつぶやくような現代社会がどうしても納得いかない。人生、最も輝くはずのひと時を、安心して暮らすことができる環境をどうすれば実現できるのか?を起点として、今後も積極的に事業展開を行いました。

そんな時に起こった東日本大震災。
3.11東日本震災翌々日に食材義援のため現地入りし目の当たりにした「ふるさと消滅」の惨状を島根に重ね見て強い危機感を抱き、止まらない物流、“ついでの流通”システムの構築によって、ふるさと消滅阻止を心に決めたのが始まりです。
2011年、民間、NPO、行政が協働する買い物弱者支援『ごようきき三河屋プロジェクト協議会』を設立。地域中小小売店と連携し買い物支援、生活支援、ライドシェア、自治組織の事務局運営受託(困り事コールセンター、在宅療養疾患者を応援する、栄養ケアステーション@三河屋などを展開。さらに、これまでの高齢者食に加え、健康食品やヘルスケア高付加価値加工食品市場を開拓しています。

2)ごようきき三河屋のミッションとは?

『ふるさと守り』です。
在宅高齢者配食事業に携わる中で、長年にわたり一生懸命、家族や社会のために働いてきた先輩たちが、誰も知らない暗い部屋の中で、地域社会からの孤立、生きる意欲の消失していく様を目の当たりにし、こんな人生の終着つまらない状態はありえない。と感じたことが事業を拡大してきた原体験であり原動力です。全国の介護施設のお客様も同じです。

全社で取り組んでいる「モルツ(Morzwell)に関わる全ての(All)人(Person)が幸せ(Siawase)になるため」のMAPS。
主に物流を担っています。

『誰もが最期まで「ごきげん」な社会をつくる』をパーパスに掲げ、物流問題をはじめ、様々な社会課題の解決策を提供し続ける三河屋事業でありたいと思っています。


3)在宅サービスのお客様とのやりとりで嬉しかったことのエピソードを教えてください。

・骨折がきっかけで配食弁当利用を始めたけれど、「おかげ様で治ってきて、自分で動けるようになったよ、助かったよ」とのお声。
・県外に住む息子様のご注文で、そのお母様へ1ケ月に1度買い物のお届けをしています。一人で買い物に行けないから、助かっているとのお声。
・安否確認は、離れて暮らすご家族にも、ケアマネさんにも安心していただいています。
・高齢のお客様より、お弁当お届け時に、何気なく声をかけてもらえること・会話をすることが楽しみです。
・今年は特に猛暑だったので、お弁当と一緒に熱中症対策用のお茶をお届けし、喜ばれました。

まだまだたくさんありますが、お弁当や買い物支援を待つご本人様とそれを支えるご家族の「安心」につながっていると実感できていることが何よりうれしいです。

お客様とのエピソードを語る青山さん。
ごようきき三河屋のInstagramで、日々の三河屋の様子も発信していただいています。

3)物流危機とは?

お弁当や買い物支援を待っていて下さる地域のお客様や、真空調理済み「楽盛」食材を待っていて下さる全国の介護施設のお客様の「安心」を脅かす問題となっているのが、昨今話題になっている「物流危機」の問題です。

物流が直面する供給制約という課題

  • 長期的なドライバー不足

  • ドライバーの高齢化

  • 労働環境の改善・時間外労働時間の上限規制

これまでの物流は、トラック輸送比率が高く、厳しい時間指定、注文してから短いリードタイムでの納品、かつ顧客から非効率な要求であっても対応せざるをえなく、安価な運賃で提供するのがいわば当たり前の状態でした。今までの当たり前が大きく崩れつつある危機的状況です。

4)2024年問題とは?

  • 物流産業を魅力ある職場とするため、トラックドライバーの働き方改革に関する法律が2024年4月から適用される一方、物流の停滞が懸念されます。

  • 何も対策を講じなければ2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性があるといわれています。

やばいっ あと何日?


経済産業省からも、「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」が策定されました。

具体的には
1)商慣行の見直し
 「この時間じゃないと受け取れない」「早く持ってきて」を何とか無くそう、運賃の見直しなど。
2)物流の効率化
 地域物流等における共同輸送の促進は、まさにごようきき三河屋の出番ですね。
3)荷主・消費者の行動変容
 1)にもつながる、荷主や消費者の意識改革は必須ですね。


5)モルツウェルのチャレンジ

課題があるなら、解決のために知恵をしぼるのがモルツウェル。
全国にお客様が毎日の食事「楽盛」を待っていて下さる。私たちの「負けへんで」精神が作動しました。

昨年から冷蔵車を購入。近県のお客さまには自社物流をスタート。
在宅のお客様向けサービスは「ごようきき三河屋」。自社物流事業は「ごようききよかわや」と名付けましたww

現在は、益田~鳥取まで山陰をカバーしています。今後中国地方全域に広げていきたいと考えています。

お弁当配食コースの見直しもしました。

先日NHKさんにも取材していただきました☆彡
↓↓


6)抱えている課題

  • 国のガイドラインにもあった「商慣行の見直し」や「荷主・消費者の行動変容」については、まだまだ意識変革ができていないところがあり、「時間指定」のお客様のご希望により、どうしても効率が悪いコースもあります。

  • まだまだ積載効率が低い。

  • お客様側の保管スペースの確保


7)今後のビジョン






まだまだ、やりたいコト盛りだくさん!

モルツウェルが全社で進めているMAPSプロジェクトのシステム部門とも協力しながら受注~製造~出荷~物流~配膳をシームレスにつなぐ将来構想も動き出しています。

楽盛食材は消費期限が長いので、配送期間を考えながら喫食日の設定をすることができる。


ココだけの話
数ヶ月前から、サンフランシスコシリコンバレーに拠点を置く、ドローンスタートアップのZIP LINE社との協働事業構想が動き始めました。
簡単に言えば、松江市(20万人)の上空に常にドローンが飛び交う未来を創る。と言うことです。
在宅高齢者弁当配食のフライト回数1日2,000回をベースにして、買い物支援など地域生活のインフラサービスを載せていく構想です。
今後も、仲間の地域中小企業を巻き込みして、母船ドローンから子機ドローンのワイヤーを降ろすスタイルで縦横50センチの枠の中に届ける正確性を活かした新しい付加価値サービスを開発していきたいと意気込んでいます。



未来のために、トライ&エラーを重ねていきたいと思います。


8)まとめ

今回も長文を読んでいただきありがとうございます。

ド田舎島根の岬の端っこでお弁当を待つおばあちゃん、団地の4階で配達スタッフとの会話を待つおじいちゃんも、中山間地の介護施設のご利用さまも、厨房で働く配膳スタッフも、モルツウェルの365日の「命をつなぐ食事」を待っていてくださいます。

それをつなぐ「物流」を担う仕事に誇りをもって、これからもチャレンジしていきたいと思います。
これからも応援をどうぞよろしくお願いします!



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