緊張するのは悪いこと!?適度な緊張感の中でこそ発揮されるパフォーマンス
入学、進級から約1ヶ月が経ちました。新しい環境の中に身を置き、ワクワクする気持ちと、緊張感がミックスするこの時期。
子どもたち、そして保護者の皆さんにとっても、
「慣れるかな?」「大丈夫かな?」「どんな1年になるかな?」
とソワソワする1ヶ月だったことと思います。
「早く慣れるといいな・・・」「緊張している状態からリラックスした状態になりたい」そう思う人も多いかと思いますが、実は、この緊張している状態というのは、そんなに悪いことではないんです。
「適度な緊張感」は、最高のパフォーマンスにつながる!?
スポーツ心理学の中に、
「人が1番良いパフォーマンスを出すためには、程よい緊張や不安が必要である」という”逆U字理論”というものがあります。
緊張や不安が低すぎたり、高すぎたりすると、パフォーマンスは低くなってしまうけれど、1番良いパフォーマンスを発揮するためには、適度な緊張や不安が必要というもの。
・遊びでやるよりも試合になった方が集中していい球がが打てた。
・家で練習問題をしているよりも、テストになった方がミスが少なかった。
・いつもは間違えるのに、発表会では最後まで間違いなく演奏できた。
そんな経験も、緊張感ゆえに発揮できたパフォーマンスかもしれません。
「適度な緊張感」は、良い人間関係にもつながる!?
では、人付き合いにおいてはどうでしょうか。
出会ってから間もない時、緊張感がある時には、お互いに相手のことを気遣ったり、思いやったりして、良好な関係を築こうと努力します。
しかし、段々と馴れ合ってしまうと、「この人なら大丈夫だろう」と、自分勝手な態度をとってしまったり、知らず知らずのうちに相手を傷つけてしまうということもありますよね。
慣れるのはいいけれど、慣れすぎてはいけない!
学校生活も同じ。
「早く学校生活に慣れて、楽しんでほしい」そう思う人が多いと思いますが、
慣れ過ぎると、節度がなくなってしまったり、 適度な緊張感がなくなってしまったりすることもある。その結果、できていたことができなくなったり、
「ま、いっか」が増えていったりもするわけです。
「慣れる」ということは、経験を積み、習熟してくることでもあるので悪いことではないけれど、慣れることで油断が生まれ、マイナスになってしまうということもたくさんあります。
緊張が少し解けてくるこの時期は、子どもたちにとっては大切な時期。
高パフォーマンスを出せるチャンスの時期かもしれないし、
このまま慣れすぎてしまうと、新生活でせっかく仕切り直した気持ちがダレてしまって、あまり良くない方向に行くかもしれない、
そんな分かれ道になるかもしれません。
緊張感と息抜きのバランスをとっていこう!
もちろん、緊張感に包まれた中で生活するのは、苦しいし、息抜きも大事です。
しかし、ずっと息抜きをしていては、それは息抜きではなくなっています。
緊張があったり、頑張る場所があるからこそ、息抜きになる。
そもそも「息抜き」という言葉自体、気分転換のために休むことだから、
その先にはまた頑張らなきゃいけないことがあるということなんですけどね。
学校も仕事も、終わっても終わってもやらなきゃいけないことが山積みで、
「ああ、あれもこれもしなきゃ!」「頑張らなきゃ!」
と自分を奮い立たせるような気持ちで、生活している人も多いと思います。
けれど、そういった程よい緊張感の中に身を置き、慌ただしくしながらも、
自分自身がやりがいをもったり、その時のベストを出しながら、生活しているときは、なんだか楽しいはず。
そうやって「頑張った自分」を時々褒めて、息抜きをして、チャージをして、また日々に戻る。
子どもたちにも、そんなメリハリのある豊かな生活を自分自身で創れるようになってほしいな、と願っています。
ひとまず、step by stepですね!5月も頑張っていきましょう!!