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インティメート・ボランティア

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親切心ではじめたボランティアが、いつの間にか自分の空虚の穴をうめるものになっていた。
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#孤独

インティメート・ボランティア 21

ボランティア先もひとつになり、志穂は、自然と星野の家を訪ねる回数も増えてきた。認めたくないが、休日に会う友だちもほとんどいなかった。

その日も星野の家を訪れていた。

急に冷え込んで肌寒くなったので、星野が奥にある寝室に、カーディガンをとりにいった。車椅子なので、時間がかかるが星野は自分でできることは自分でしたがった。

志穂は紅茶を淹れるため、湯を沸かした。白い湯気がたってきて幸せな気分になり

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インティメート・ボランティア 20

履歴書を送付してから1カ月たったが、来るのは不採用の通知ばかりだった。負けずに次の週に、また10通程度出したが結果は同じで、不採用通知の山が溜まるばかりだった。

志穂は、以前の同僚のコネでも使おうかと迷ったが、止めることにした。単純に借りを人に作りたくなかった。会社で何かあったら、それだけでも惑わしいのに、コネで就職したらそれこそ逃げ場所がなくなってしまう。

明日が週末で、星野のマンションに行

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インティメート・ボランティア 19

次の週末になる前に、またボランティア団体から電話がかかってきた。今度は、ミヤケの訃報だった。

ボランティア団体は、ミヤケの葬式について、ベルトコンベアーが流れるように、てきぱきと伝えてきた。最後にちょっとだけ人情味を帯びた声色で、事務局の人は付け加えた。

「ミヤケさん、身寄りがなかったから、お葬式に出るのは、私たちのほかはいません。もし、よかったらミヤケさんのお気に入りだった志穂さんが来てくれ

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インティメート・ボランティア 18

週中に、めずらしくボランティア団体から志穂に、電話が入った。

ミヤケが急に様態が悪くなり、しきりに志穂と会いたがっているので、週末になる前になるべく早く、ミヤケのところにお見舞いに行ってくれないかという電話だった。

志穂は、次の日に半休を取ると、ミヤケのアパートを訪れた。すでに到着していた介護ヘルパーが、志穂を部屋に通してくれた。

いつもの薄っぺらい蒲団のなかでミヤケは、蒼い顔をして横たわっ

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インティメート・ボランティア 17

このまま行くと、自分の人生は、うまくいっても、もう少しましな仕事につき、もう少し大きな、多分1LDKのマンションに住むぐらいで終わってしまうだろう。さりとて、悪くいっても、このままフリーターで食いつなぐことはできるかもしれない。しかし、病気になったときなど、何も保証もない。

田舎に帰ることもできるだろうが、帰って何をするでもない。早く結婚しろと両親や周りにとやかくいわれることを思うと、億劫になる

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インティメート・ボランティア 12

働き始めて5ヵ月半すぎたとき、グループマネージャーの川崎に呼ばれた。話の内容は、次の3カ月の延長をしてくれるかどうかの確認だった。志穂は、他の仕事のあてもなかったので、よろしくお願いしますと頭を下げた。

仕事場に戻ると、沙紀が隣の2歳年下の男と何やら盛り上がっていた。どうやら今、人気のグラビアモデルにちょっと似ているといわれ、気をよくしてはしゃいでいるようさだった。

志穂に話すときとは、全然違

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インティメート・ボランティア 9

出社して、自分のデスクに着くと、A4サイズの封筒が志穂の机にあった。中身を取り出すと、アイシャドーのカラーサンプルが入っていて、殴り書きをした付箋が貼り付けてあった。

付箋には、「きょう来るときに、この封筒を持参してきてください」というメッセージが書かれていた。派遣先の上司、沙紀の名前が最後にあった。

午後から志穂は、所属しているグループのモニターとして、新製品のメークモデルを頼まれていた。急

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