2022年6月に読んだ小説TOP5
こんにちは。
2022年から小説を読むのにはまっています。
6月の読了は9冊でした。
その中から、厳選して特におすすめの5冊を紹介します。
ちなみに私が6月に読んだ本はこちらです。↓
それでは、この中からTOP5を紹介していきます。
1. 町田そのこ 「うつくしが丘の不幸の家」
町田そのこさんは、「52ヘルツのクジラたち」と「星を掬う」という本を読んで大好きになり、他の本も読みたいなと思って読みました。
「うつくしが丘の不幸の家」は、2019年に単行本が出て、文庫本が2022年4月に出たばかりです!
あらすじ
三階建て一軒家を購入。これから暮らすこの家は夢と幸せの象徴だった。ここが「不幸の家」と知るまでは-。「不幸の家」でしあわせについて考える5つの家族を描く連作小説。
感想
町田さんのお話は、親子関係や夫婦関係の話が多くて、読んでいると自分も、親がいる子供の立場から大人の立場へ成長しようと勇気をもらえて好きなんです。
重めの話が多いけれど、どれもハッピーエンドで前向きになれます。
この本もまさにそんなお話でした!
連作短編集で、うつくしが丘という街の、とある一戸建のお家に住んでいた歴代の5つの家族のお話です。
短編だけど、どのお話も深くて、読了後は前向きになれました。まだ子供がいない私には、親になったり、子供を守る立場(大人)になる勇気を少しもらえるお話が多かったです。
夫婦関係や親子関係のお話が読みたい人や、幸せとは何か?と思ってる人にもおすすめだし、町田そのこさんの今まで読んだ本の中では、ほっこり系だと思うので、ほっこり系の本が好きな人にもおすすめだと思いました。
2. 朝井リョウ 「死にがいを求めて生きているの」
「正欲」や「何者」を読んで朝井リョウさんにハマりました。他の本も読んでみたくて、6月はこちらの本を読みました。
あらすじ
植物状態のまま眠る青年と見守る友人。美しい繫がりに見えるふたりの“歪な真実”とは? 平坦な日常を、現代の闇と祈りを込めて描く。競作企画「螺旋プロジェクト」の平成編。
感想
生きがいのお話。
最初は読んでて短編集かなと思ったら、ちゃんと話が繋がっていて長編でした。
まず最初に出てくる、生きがいもなく、毎日のルーティーンを送っている看護師に、「わかる〜」と共感してしまいました。
その看護師目線で、雄介という人物が、毎日を前向きに生きている同世代の人物として描かれています。でも実は、雄介はどんな人かというと…とそれ以降の章に続いていきます。
注目を集めたいがゆえに、周りの人とは違うフィールドに行こうとしてしまうところ、昔の自分にあったなと思って恥ずかしくなる感じが、「何者」を読んだ時と似ていました。
「何者」が好きな人にもおすすめです!
雄介が、「人間は三種類いると思ってる」と言って、
①生きがいが他者貢献の人
②自分の好きなことをしている自己実現型の人
③生きがいがない人
と分析しているところが興味深くて面白いです。
今の私は②で、本を読んだり好きなことをしているのが生きがいです。②の人は、「たまに、こんなふうに生きてて良いのかな?と思うことがある」って書いてあって、まさにそう!って思いました。
でも、少し前までは③で、なにか自分も特別にならなきゃ…ともがいていた時期があったのを思い出しました。
人とは違う自分、特別な自分を追い求めているうちは、人と比べることで承認欲求を満たしているから、熱中できるものがなくなったり、次に追い求めるものがわからなくなると辛くなるんだと思います。
特別じゃない、ただの普通の人でいいって思えてから、少しラクになりました。
読み終わった後も、色々考えてしまう本でした。
私は朝井リョウさんと同世代だからか、共感するところが多かったです。平成っぽい作品です。
こちらもおすすめ
3. 太田愛 「犯罪者 上」
こちらの本は、職場の人におすすめされて貸していただきました。上下巻に分かれていて、やや厚めなのですが、帯には「今年はこれが一番面白い本!!」と書かれていました。Twitterでもよくタイトルを見かけるので気になっていました。
あらすじ
「相棒」の人気脚本家が放つノンストップクライムノベル!
白昼の駅前広場で4人が殺害される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は再び襲撃を受ける。修司は刑事の相馬と、その友人・鑓水と暗殺者に追われながら事件の真相を追う。
感想
まだ上巻しか読み終わっていないのですが、中盤あたりから、続きが気になりすぎて読むのが止まらなくなります!!かなり面白いです!!
かなりの長編ですが、全く違う場面がだんだんと繋がっていき、謎が徐々にわかっていくところが面白いし、え!どうなっちゃうの!?とハラハラドキドキしてしまいます。
ミステリ好きな人には絶対おすすめです!
上巻が続きが気になるところで終わったので、早く下巻が読みたくなりました。
4. 柚木麻子 「ついでにジェントルメン」
柚木麻子さんの新刊、初めての短編集です。
文学ユーチューバーのベルさんの書評動画を見て読みました。
あらすじ
分かるし、刺さるし、救われる――自由になれる7つの物語。
編集者にダメ出しをされ続ける新人作家、女性専用車両に乗り込んでしまったびっくりするほど老けた四十五歳男性、男たちの意地悪にさらされないために美容整形をしようとする十九歳女性……などなど、なぜか微妙に社会と歯車の噛み合わない人々のもどかしさを、しなやかな筆致とユーモアで軽やかに飛び越えていく短編集。
感想
どのお話も、物語に入り込めて面白かったです。
特に好きなのは「渚ホテルであいましょう」と、「エルゴと不倫鮨」。
「渚ホテルであいましょう」は、昔売れた小説を書いた老作家の話なのですが、プライドが高くて時代錯誤なところが痛快でした。
「エルゴと不倫鮨」は、不倫男達が女を連れてくる鮨屋の話で、こちらも女性が読んでスカッとするお話です。
最初と最後のお話は菊池寛が出てくるお話で、ファンタジー要素もありました。
装丁も素敵で、読んでて癒されました。
特に女性におすすめの短編集です。
5. 浅倉秋成 「教室が、ひとりになるまで」
「六人の嘘つきな大学生」ではまり、「俺ではない炎上」は5月に読んだ小説TOP5でも紹介した、浅倉秋成さん。過去の作品も読み始めているのですが、こちらの本も面白かったです!
本格ミステリ大賞&日本推理作家協会賞Wノミネート作品です。
あらすじ
北楓高校で起きた生徒の連続自殺。垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。
感想
学校が舞台の、特殊能力ミステリです。
私はSFや青春ものがあまり得意ではないけれど、これは面白かったです!ほぼ一気読みでした!
犯人の特殊能力が何か最後までわからなかったです。
スクールカーストがテーマで、著者の他の本のように、こちらもメッセージ性のあるミステリなので好きです。