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クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第17話 辛い訓練:枝口視点
「くっ! はっはあ!」 「うらっ! おらっ! くらえ!」 「はあー……はあ!」 「お見事ですエダグチ様、ヤマガキ様、オオツキ様。その他の皆様も素晴らしい能力です」 拍手をしながら訓練場に入ってくる姫様。 そのことで皆が訓練を一時中断する。 訓練も才能のある僕がやると様になる。 意味があるのかは怪しいけれど、スキルを使うにも練習が必要だしね。必要……か? 使い方がわかれば十分だと思うんだけど、今日までずっと訓練だ。 「おい。姫さん! こんなきついことしてたら訓
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第16話 料理を食べたい!
いや、なんだろう。料理の凄さに興奮した勢いで話せたさっきと違い、腰を下ろしてしまうと気まずさがぶり返してきた。 気にしてるの俺だけってことはないだろうし、さすがにその場をなんとかしてくれても、裸同士で風呂に入れば誰だって気にするだろうことはわかる。 こんな山に住むオークの論理だったから納得してくれたように装ってくれただけだろうし。 あーあ、どうしようこれから。 食事の味がわからない。 「食べないの? リュウヤ。あれ、着替えちゃったんだ。せっかくお揃いだったのに」
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第15話 風呂に入ることに
河原と背中合わせ。めちゃくちゃ気まずい。 ティシュラさん。たった数日でよくもまあこんなことができるよな。命だけは助けてくれとか言ってたくせに、人を閉じ込めやがって。 しかも、風呂はめちゃくちゃ出来がいいんだよ! なんだよこれ! 最高だよ! あったかい風呂最高だよ! 何か話さないと。 「ま、まさに職人技って感じだよな」 「ティシュラさんのスキルだって」 「そうか。それでシャワーに風呂まで作れるのか」 「そうみたい。あたしが言った通りにできてる」 「すごいな」 「……
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第14話 風呂完成!
「どうだい。風呂ってのは、見たことないからわからないが、ユキに言われた通りに作ってみたよ」 「相変わらず早いな。見た限り本物だな」 「まあね。これくらい朝飯前だよ」 自慢げに胸を叩くティシュラさん。 スキルという特殊な能力があるこの世界では、異世界から呼ばれた俺たちだけでなく、個々人にも特殊な才能があるようだ。 ティシュラさんたちはどうやら物作りが得意らしく。その圧倒的なスピードと正確性を見ると、スキルを持たない者が迫害される理由がよくわかった。 そもそも温泉が出
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クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第13話 家!
新しく連れてこられた人たちがなんでもすると言うので、馬車馬の如く働いてもらうことにした。 そして、フェイラたちは家のために連れてきたようだったので、そう言うのが得意なのだろうという思い、丸投げして任せることにした。 これがどうやら当たりだったようで、ただの倒木を彼女たちの道具でなめらかに加工し木材にすると、ものの見事に丈夫そうな家が出来上がってしまった。 さらに、彼女たちのスキルによる影響なのか、家は数日で完成した。 目の前にはやってきた職人たちのリーダーであるテ
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第12話 二人きりにされ……
「……」 「…………」 変なこと言われたからか急に二人にされて気まずくなってしまった。 相当面倒な相手なのか、バシィたちも総出で行ってしまったし、河原と完全に二人きりだ。 わざわざ二人になろうとしてなった前回とは別で、他人に二人にされるとは……。 「「あの」」 声が被り、目を泳がす。 またしても気まずい。 「先にいいぞ」 「えっと、ありがとう。その、溝口のご趣味は」 「え?」 「い、いや、その。これはあれ。お互いのことを何も知らないから、知っておいた方がいい
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第11話 家がほしいです
一日目は良かったが、味がない肉なので食べ切るのがキツくなってきた。 少し時間がかかるとかではなく、食べないといけないから仕方なく食べるような感覚だ。 最初は気にしないでいられたが、臭みのせいのせいもある気がする。 「いやー。俺は河原と違って料理はしないが、調味料って大事なんだな。異世界に来て思い知らされるとは思ってなかった」 「そうでしょうね。あたしも実感したけど、日本では過剰なくらい使われてるんだなって思い知らされたよね」 「ちょうみりょう? お肉は美味しかったけど
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第10話 フェイラと食事と
「フェイラさんって信用していいの?」 河原は俺を連れ出して、聞いてきた。 やっと顔を見てくれて言ったことだった。 今までになく顔を赤くして真剣な表情で言ってくる。 まあ、俺は力をもらってるし指摘しづらいってことなんだろうな。 「フェイラ。な」 「うん」 きっつい視線でにらみつけながら言ってくる河原。 まあ、そうだよな。ごもっともってやつだ。 服装、容姿、言動。どれをとっても怪しさ満点。神様なんて言ってるやつは正直信じられないだろうな。 「確かに怪しい。怪
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第9話 溝口への気持ち:河原視点
ここまで溝口には散々助けられて本当に感謝してる。多分、一人なら一日も耐えられなかったと思う。 家事がうまくできたところで全く知らない場所に一人放り出されたんじゃ、そんな力は役に立たない。 なのに、自分のことで手一杯なはずの、なんの力ももらえなかった溝口は、あたしのことまで考えてくれていた。 「好きなことを好きと言えるのはいいことだと思うぞ」 そんなこと、面と向かって初めて言われた。 どこかの誰かが言っている言葉としては聞いたことがあったけど、実際に言われること
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第8話 水、食料!
人を愛したことがない。確かに、さっきも河原に珍しく取り乱していると言われた。取り乱すくらいには初めての感情だった。 俺は、姫様のスキルによって強制的に好意を抱かされても違和感を覚えるほどだった。 別に、間違っちゃいない。間違っちゃいないんだろうが、改めて面と向かって言われると俺ってものすごく薄情だったんだなと思い知らされる。 だが、この特性のおかげで助かったと言ってもいいはずだ。これまでだって、山垣に話しかけてくるなと言われて授業の伝達が来なかったくらいだし。 結
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第7話 溺愛の権能
「よしよし」 オオカミたちに敵意がなくなったことを確認するため、腹やら頭やらを撫で回したりくすぐったりしているのだが、全く噛みついてくる気配がない。 むしろ、ゴロンと転がり腹を見せてきた。 どうやら本当に襲ってくることはなさそうだ。 「こうしてみるとかわいい?」 「河原も撫でてみるか?」 「でも、溝口の力で大人しくなってるんでしょ?」 「大丈夫だと思うぞ」 「本当? ……よしよし。よーしよしよしよし!」 河原が撫でてもオオカミたちは歯向かってこない。 河原も最
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第6話 覚醒
真っ白な世界は気づくと収まり、代わりにどこからともなく現れたピンク髪の美少女が俺に抱きついていた。 「え、は?」 突然の展開すぎて俺や河原だけでなく、オオカミたちすら口をあんぐりと開けて動きを止めている。 俺も正直ついていけていない。 だが、ふんわりと香る匂いや実際に当たる二つの柔らかい感覚で幻覚ではなく現実なのだと認識させられる。 「お待たせリュウヤ。遅くなってごめんね」 「いや、誰」 知り合いのように話しかけられたが、俺から離れて全身が見えても全く見覚え
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第5話 襲撃
なんだか温かい。それに、柔らかい? ただのクッションに頭を乗せている時とは明らかに違う感覚。 ぼやけた視界がだんだんと鮮明になり、自分が木に囲まれた場所、山の中にいることを思い出す。 「はっ!」 突然、頭を鷲掴みにされ、俺は反射的に身構える。 だが、胴体の方も押さえ込まれており、簡単には離れられない。 「みぞ、ぐち……」 ぼそぼそと耳元で俺の名前を呼ぶ声。息が吹きかかるほどの近さに、俺は恐る恐る頭を確かめるとそこには柔らかい手が……。 そうだ。 俺は
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第4話 死の山
「ぐっ。うっ」 尻から着地し、追撃としてアゴに何かがぶつかってきた。 ほんの少しいい匂いを感じながら、ぱちぱちとまばたきをして視界を確かめる。 「ちょっ! 近い!」 「うっ!」 やっと目が慣れてきたところを突き飛ばされた。背中を地面に打ちつけ、葉っぱが舞った。 「げふっ。ゴホゴホ」 「あ、ごめん。大丈夫?」 「ああ。一応大丈夫だ。ま、これで貸し借りなしってところだな」 「貸し借り? いや、あたしの方が悪いでしょ。突き飛ばしちゃったし」 「気にすんな。隠してたもの
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第3話 国外追放
「おやおや。僕の言った通り役立たずだったね溝口。大人しく僕の申し出を受けておけばよかったのに」 ぽんぽんと肩を叩き、やたら近くでねちゃねちゃと音をさせながら何かを言ってくる枝口。 だが、その言葉は入ってこない。 先ほど姫様に言われた言葉が、脳に焼き付いて離れない。 「せっかく呼び出したのに、欠陥品なんて。ゴミにはゴミの特別待遇ですね……神なんていないですし。どうしましょ」 俺は少し先で残るクラスメイトたちに鏡を受ける姫様を見る。 彼女はすでに初めに見せた笑顔
クラス転移でハズレスキルすら出なかった俺、山に捨てられる〜実はここまで俺を独占したい女神の計画通りらしく、スキルを超える『溺愛』の権能を与えられたので、悠々自適に暮らします!〜第2話 スキル判明
次々に判明していくクラスメイトたちの能力。 どれも、この世界の住人では珍しい能力や強力な能力らしいが、この世界の住人ではない俺にはさっぱりだ。 「おおっ! 勇者様! 選ばれし勇者様です!」 「俺がですか?」 さっきから借りてきた猫みたいな山垣が驚いたような顔をしている。 「はい。ヤマガキ様は選ばれし勇者です。このスキルは今まで数名しかいなかった勇者というスキルのより強力なもののはずです」 「おおー。そうなんですね」 「もっと喜んでください。ワタクシたちもものすご