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スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第30話 対面! ニーゼサーカス団!!
「ちゃんと逃げずに来たみたいだな」
「もちろんだ」
俺たちサーカス冒険団は、ニーゼサーカス団へとやってきていた。
今回はもちろん。スライムも含めたリル、マイル、ヤング、そして、アリサのフルメンバーでだ。
対して、ニーゼサーカス団は、モーケが先頭に立ち、後ろには昨日と変わらない様子のゴルドを初めとして、どこを見ているのかわからないかつての仲間たちが、ぼんやりと立っていた。
そしてな
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第29話 スライムの願い事
「お願いって何さ」
突然街中に現れた青髪青目の少女。
少女は自分のことをユラーのスライムだと言う。
俺としてはとても信じられないが、信じなければ話が進まない。
スライムから解放された俺は、とりあえず話を聞くことにした。
「先輩が出ちゃいそうなんだ。だから、先輩が出た時はドーラに倒してほしい」
俺の質問にスライムがそう言った。
いや、スライムの先輩って誰だ。
「俺にどうに
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜あらすじ
ドーラ・バルバドルはスキル「火吹き芸」が使用できるからとサーカスにスカウトされた。
だが、時の経過で火吹き芸はスキルがなくても誰にでもできると言われサーカスをクビにされてしまう。
しかし、ドーラのスキル「火吹き芸」はスキルなしの火吹き芸とは全く別物で、スキル「ブレス」への進化の可能性や仲間にダメージを与えず火を吹けるという独自性を持っていた。
そのことに気づかずドーラをクビにしたサーカスは、
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第1話 サーカス追放
「お前クビな」
「え?」
俺はドーラ・バルバドル。17歳。
何の脈絡もなく団長に告げられた言葉に自分の耳を疑い、反射的に聞き返してしまった。
いきなり呼び出されたかと思えば、クビと言われたのだ。
大事な話があると言われ、サーカスのテントの裏に呼ばれ、一言で済まされれば、クビでなくとも誰だってそうなるだろう。
「すいません。もう一度言ってもらえませんか?」
「ああ。お前がどこか
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第2話 止めてくれたアリサ
「待って」
サーカスの看板アイドルであるアリサ・ブリゲードに呼び止められ、俺はとっさに目元を袖でこすった。
「どうしたのさ? サーカスのアイドルがクビになった俺に何か用?」
俺は振り返らずにそっけなく言った。
するとアリサは、俺の前まで移動してきた。その目には、さっきまでの俺と同じように、何故か涙が浮かんでいた。
いや、その理由を俺は何となくわかっている。
「ドーラとはサーカス
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第3話 アテもなく森の中
アリサからもらった包みを肩に下げ、俺はやみくもに走っていた。
照れを隠すために走り出してしまったが、どうしようか。完全に道に迷ってしまった。
辺りを見回すも木、木、木。森だということはわかるが、他の情報が全くなかった。
本当に右も左もわからなくなるとは思ってなかったため、いざ迷ってしまうと、下からゾクゾクと鳥肌が立つのを感じた。
さっそくアリサの持ち物を探ってみるが、ほとんどがア
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第4話 スカウト
「私のサーカス冒険団に入らないか?」
名も知らぬ女性を森で助けたら、よくわからないものにスカウトされた。
「はい? サーカス冒険団?」
俺は思わず聞き返してしまった。
「そうかそうか。いいだろう。入団を歓迎しよう。よろしくなドーラ」
リルは俺に向けて手を差し出した。
「いや、今のはい。は疑問のはいで」
「何を訳のわからないことを言っているんだ。ほら、行くぞドーラ」
無理矢理
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第5話 VS森の主
「ついたぞ」
リルに先導されついたのは森の奥深く。先ほどいたところより、一層多くの草木が生えているところだった。
「大丈夫なの?」
「何がだ?」
「いや、リルさっき捕まってたけど、今度は大丈夫なのかなって」
「大丈夫だ。先ほどは一人だったが、今はドーラがいるからな」
「まあ、頼りにされるのは嬉しいけど」
はにかみつつ、俺は現在の状況を確認することにした。
まずスキル、火吹き芸
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第6話 その後のサーカス
「どうして、うまくいかないのだ」
ワシは頭をかいた。
ドーラをクビにし早速練習を見ているが、火を使った芸がうまくいっているように見えない。
「どうしたのさ父さん。そんなにイライラして」
息子のゴルドに話しかけられ、ワシは息を吐き出した。
「邪魔なはずのドーラをクビにしたと言うのに、何故動きがよくなってないのだ」
「それはそうだよ。いくら邪魔だったとは言え、まだ練習を始めてすぐじゃ
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第7話 その後のサーカス2
「なんであたしがこんなところに残らなきゃいけないんだろう」
サーカスの練習風景を見ながら、あたしは思わずため息をついた。
あたしから見ればドーラ以外のレベルが低すぎるサーカスは、ドーラを失い子供のお遊戯会の様相を呈していた。
いや、まだ子供のお遊戯会の方が見ていられる。可愛らしさがあるから。
手を抜いてやってるポーズだけしている人しかいないショーなんて誰が見たがるだろう。
「これ
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第8話 その後のサーカス3
「おい。アリサはまだなのか。本番直前のリハーサルに顔を出さなかったではないか。それに、もう本番まで時間がないというのに現れないとは、一体何をしているのだ」
ワシは思わずゴルドを怒鳴っていた。
「父さん。声が大きいよ。お客さんに聞こえちゃうだろう」
「そうだな。すまない」
だが、ワシが我を忘れることも仕方のないことだ。サーカスのアイドルと甘やかしてきたアリサが今だ会場に現れないのだ。
スキル「火吹き芸」がしょぼいと言われサーカスをクビになった俺が、冒険者パーティ兼サーカス団にスカウトされた件〜今度は冒険者としてもスキルを使います〜第9話 その後のサーカス4
「レディースアンドジェントルマン。我がニーゼサーカス団へようこそ!」
ワシはステージへと上がった。
現役を引退したワシにできるのは、全力の挨拶だ。
ゴルドがなんとかすると言っていたのだ。きっとなんとかするだろう。
なんてったってゴルドはワシの息子なのだから。
「本日お客様にお見せするのは夢の時間、始まりは雷から、こんな場所に稲光は起こるのですよ? ではお見せしましょう。サン!」