しゅうた/Shuta│奇術積読宣言

自らの積読を戒めるために、奇術・マジック関係の感想文を投稿。プロフィール画像はAI生成…

しゅうた/Shuta│奇術積読宣言

自らの積読を戒めるために、奇術・マジック関係の感想文を投稿。プロフィール画像はAI生成。Podcastもやっています。Magician in Japan reads magic books. I always piles up unread books on the floor.

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最近の記事

アマチュアでもマジックへのモチベーションを保ち続ける⽅法(マジケ2023秋発表分)

マジックマーケット2023秋で販売したエッセイの再販となります。 米国ではLeisure Studyという研究分野があり、先行研究などを参照しながら議論する論説エッセイです。私の本業が教育事業でして、そこからの知見も入れて論じています。後段では、アマチュアながら毎月マジックライブを開催しているプチ自主公演の開き方を後輩マジシャンが寄稿してくれました。 PDFにて、全40ページとなります。 以下のような目次、内容です。黒塗りは、一応買った人だけの秘密、ということで。(大し

¥450
    • 【Genii 2024.3.】タイムスリップしてきたマジシャン?Pop Hydn:Genii 2024 Feb.を読んで

      1936年から続くアメリカの手品雑誌 Genii Magazineですが、2024年3月号はアメリカはロサンゼルスで活躍するベテランマジシャン、Pop Haydn(ポップ・ハイデン、くらいの発音かと)が表紙&カバーストーリーでした! どのくらいベテランかというと、マジックキャッスルのマジシャン・オブ・ザ・イヤーをステージやパーラー、クロースアップ、バー部門で1回以上ずつとっています。全部で7回とってるんです(笑)もはや獲りすぎで、殿堂入りしてもおかしくないレベル。2006年

      • 【Genii 2024.2.】日本人マジシャンが世界的手品雑誌の表紙に!ポン太 the Smithさん:Genii 2024 Feb.を読んで

        1936年から続くアメリカの手品雑誌 Genii Magazineですが、2024年2月号は日本人マジシャンが表紙&カバーストーリーでした! 現在は大阪拠点にImpossible Companyという会社でマジックに取り組んでいらっしゃる、ポン太 the スミス(Ponta the Smith)さんです。 Genii Magazineの編集長であるRichard Kaufman氏は、親日家であることもあり、これまでも何度か日本人マジシャンが表紙を飾っています。雑誌以外も彼が

        • 【Genii 2024.1.】Armando Luceroの哲学に迫る:Genii 2024 Jan.を読んで

          世界最大規模のマジック雑誌Genii Magazineの2024年1月号の感想です。 Podcast(日本語)の方では一足先にしゃべっていますので、ぜひそちらもお聞きください。(内容の重複があります) カバーストーリーはアルマンド・ルセロ今月のGeniiの特集は、徹底した秘密主義でアンダーグラウンドながら、多くのマジシャンから尊敬を集めるアルマンド・ルセロ(Armando Lucero)氏です。 私はルセロ氏を日本のテレビでしか見たことがありませんが、当時手品をはじめたば

        アマチュアでもマジックへのモチベーションを保ち続ける⽅法(マジケ2023秋発表分)

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        • 奇術積読宣言の雑談・コラム集
          10本
        • Genii magazine レビュー
          7本
        • 奇術積読宣言のマジックレビュー
          23本
        • Engish Articles on Magic Books
          3本

        記事

          海賊版の手品製品を絶対に買うなよ!

          マジック業界では、長らく海賊版の問題に直面しています。そんなことは知っているよ、という方は多いかもしれませんが、他人事でもなくなったので、この記事を書きました。 なんと、私のnoteで作成しているヘッダー画像が海賊版販売サイトでサムネイルに使われていたのです。いやホンマに、何してくれてんねん。当然ですが、使用許可を頼まれているわけもありませんし、私がそんなことを認めるはずもありません。無断使用ですし、私がその海賊版サイトを認めたり支援したり協力したりしていない、ということは

          海賊版の手品製品を絶対に買うなよ!

          Review#23:ダリアン・ヴォルフの奇妙な冒険 (Florian Severin)

          いやー、面白かった…。私はメンタリズムやメンタルマジックは全くの初心者であることと、本自体が少々分厚かったこともあり、自分の中で後回しにしてしまっていた本ですが、やっと読めました。もっと早く読んでおけばよかった!そう思わされるくらい、面白かったです。 本でマジックを解説するならこうあってほしい、という理想の形で、手順と解説だけで終えず、様々な角度から考察や、彼がその手順に至った思考を余すことなく記述してくれています。しかもその内容が鋭いので、読んでいて知的に興奮します。ここ

          Review#23:ダリアン・ヴォルフの奇妙な冒険 (Florian Severin)

          【Genii 2023.12.】Jeanette Andrews: Genii 2023 Dec.を読んで

          世界最大規模のマジック雑誌Genii Magazineの2023年12月号の感想です。だいぶ更新が遅くなってしまいました。 Podcastの方では一足先にしゃべっていますので、ぜひそちらもお聞きください。(内容の重複が当然あります) 今回のカバーストーリーは、Jeanette Andrews(ジャネット・アンドリュース。たぶん。)というマジシャン。私は今回の記事をきっかけに知りましたが、アメリカで活躍する女性マジシャンです。 現代アートとしてのマジックを目指すJeanet

          【Genii 2023.12.】Jeanette Andrews: Genii 2023 Dec.を読んで

          Review#22:Encore (John Graham)

          アメリカのマジシャン&メンタリスト、John Graham(ジョン・グラム、でしょうかね。グラハムでも良さそうですが)による「マルチプル・セレクション」と呼ばれるカードマジックのプロットを扱った本です。 John Graham自体はほとんど知らなかったのですが、彼はVanishing Inc.社から"Stage by Stage"という本を出しており、そこではショーの構成の仕方やトリックをいかにショーアップしていくか、といったことが語られているそうです。持ってないので確認でき

          Review of "Letters from Juan" after reading all the volumes.

          I have finished reading all the volumes of ”Letters from Juan”. It does not have a great reputation on the Internet, but I would like to write a review in English because I think that is definitely a matter of literacy on the part of the re

          Review of "Letters from Juan" after reading all the volumes.

          Review#21:Letters from Juan vol.6 (Juan Tamariz)

          いよいよ最終巻。虹の色が日本は7色ですが、西欧では6色の国も多く、ゆえに6巻で終了です。vol.6は、トリックそのものの不思議さは失速した印象はありますが、学びの観点からはとても得られるものが多い内容でした。ということで走りきりました! Rafael Benetar氏が全編英語に訳してくれたことに改めて感謝です。 Letter from Juan (序文)マジシャンがトリックについて議論する際に、秘密(タネ)の部分に注力してしまい、肝心の現象(効果)の部分をおろそかにしてし

          Review#21:Letters from Juan vol.6 (Juan Tamariz)

          Review#20:Letters from Juan vol.5 (Juan Tamariz)

          全6巻のうち5巻目で、今回は紫。かなり面白かったです。Letters from Juanはどんどん面白くなってる気がします。いよいよ次回は最終巻です。どうなるんでしょうか。早速内容にいってみましょう! Letter from Juan (序文)タマリッツがとんでもない生活リズムであることや、孫がヨーヨーアーティストであること(なお孫のダニエル・タマリッツは大阪で開催されたヨーヨー世界大会で優勝、グランプリ獲得しています)などのアイスブレイクではじまります。 タマリッツが、客

          Review#20:Letters from Juan vol.5 (Juan Tamariz)

          Review#19:Letters from Juan vol.4 (Juan Tamariz)

          ついに4巻目。vol.1~3のレビューから間が空いてしまいましたが、vol.6が出たタイミングでまとめて買いました。今回の色は青。 解説中にParenthesis of Forgetfulness(忘却誘導要素の挿入)とか普通に出てくるので、アスカニオ理論は履修済みであるほうが楽しめます。もちろんそこらへんをあまり理解していなくてもトリック自体を理解する上では問題ないのである程度楽しめますが。 海外であまり高評価でないレビューを(vol.1とか2の時点で)見かけましたが、タ

          Review#19:Letters from Juan vol.4 (Juan Tamariz)

          2023年Podcast『奇術積読宣言 ON AIR』まとめ

          2023年に入ってからPodcastを開始し、年の後半からは更新頻度もあげてコツコツと取り組んでいます。 マジックの業界でなかなか音声コンテンツをやっている人は少ないことや、私自身がラジオやPodcastが好きなので配信したい!と思ったこと、加えてここからマジックの友人ができたらなと思ってはじめたのでした。 まだ聞いたことがない方は是非こちらからどうぞ! 10人くらいに聞いてもらえればいいや、と思っていたところ、それを大幅に超える方に聞いていただき総再生回数は1000回を超

          2023年Podcast『奇術積読宣言 ON AIR』まとめ

          【Genii 2023.11.】The Passion of Michael Vincent: Genii 2023 Nov.を読んで

          世界最大規模のマジック雑誌Genii Magazineの11月号の感想です。私は電子版を購読していますが、これまでパラパラめくり続けていたのがもったいないくらい、毎回素晴らしい記事が続いています。特にやはり表紙を飾るメインの特集記事の読み応え、内容が素晴らしい。今月号はイギリスのマジシャン、マイケル・ヴィンセント(Michale Vincent)氏の特集でしたが、彼の人生を振り返りつつ、彼の作品の解説もあり、まさに雑誌ならではの読み物となっていました。 Podcastではよ

          【Genii 2023.11.】The Passion of Michael Vincent: Genii 2023 Nov.を読んで

          【Genii 2023.10.】"Spirit Cabinet"を復活させたMike Caveney:Genii 2023 Oct.を読んで

          レビュー更新していませんね…すみません。でも本は読んでいます。ただその本が微妙すぎて、レビューすると酷評になりそうなのでアップできていないだけです(涙) さて、最近はpodcastをちゃんと収録し公開しています。いつまで続くかはわかりません。聞いていただける方は限定的なので、今回はPodcastでも話した、Genii 10月号の感想をnoteにしました。ショート版のnoteですが、より詳細に聞きたい方はぜひPodcastをお聞きください! Genii9月号の感想はこちらで

          【Genii 2023.10.】"Spirit Cabinet"を復活させたMike Caveney:Genii 2023 Oct.を読んで

          【Genii 2023.9.】"The Expert at the Card Table"作者は誰なのか問題:Genii 2023 Sep.を読んで

          マジック月刊誌Genii 2023年9月号の特集は非常に興味深いものでした。なんと、The Expert at the Card Tableの作者 S.W. Erdnase(日本語だと、「アードネス」と表記されることが多い)の新たな候補者が登場した、というのです。 私自身、"The Expert at the Card Table"は一読しておしまい、Erdnaseの正体も特にどうでも良い、というスタンスの手品ライト層なのですが、今回の特集は面白かった!ということもあり、n

          【Genii 2023.9.】"The Expert at the Card Table"作者は誰なのか問題:Genii 2023 Sep.を読んで