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海賊版の手品製品を絶対に買うなよ!

マジック業界では、長らく海賊版の問題に直面しています。そんなことは知っているよ、という方は多いかもしれませんが、他人事でもなくなったので、この記事を書きました。

なんと、私のnoteで作成しているヘッダー画像が海賊版販売サイトでサムネイルに使われていたのです。いやホンマに、何してくれてんねん。当然ですが、使用許可を頼まれているわけもありませんし、私がそんなことを認めるはずもありません。無断使用ですし、私がその海賊版サイトを認めたり支援したり協力したりしていない、ということはこの場を借りて断言しておきたいと思います。とんでもない迷惑です。犯罪の片棒を担がれている気がして、非常に気分が悪い。全くもう…

海賊版がなぜ良くないことなのか、そんなことはこのnoteをご覧頂いている方は百も承知でしょうが、英語圏では結構ネットに書かれていることでもあるので、そこらへんのブログや掲示板情報をベースにして、せっかくなので日本語でウェブ上に残しておきたいと思います。最後に参考にしたブログ投稿などをまとめておきます。

海賊版手品販売サイトとは

著作権を侵害して手品製品のデータを販売している、犯罪者が運営するサイトです。いや、タネ明かしYouTuberで他人のトリック解説してる場合、著作権を侵害していると認定するのはなかなか難しいんですが、海賊版販売サイトではPDFや動画データなどで、当該データをそのまま販売している(らしい)ため、完全にアウトです。
ただ、ユーザー側からすると、あらゆる製品が死ぬほど安価に販売されており、定価の10分の1とか、それ以下みたいな価格です。夢のようなウェブサイトですが、でもそれ、海賊版だから。

海賊版サイトを使うとよくない理由

当たり前ですが、海賊版サイトは使ってはいけません。「え、安く手に入るからええやん」とお思いの方もいるのは重々承知ですが、んなこたない。いいから聞いてくれ。
本来の価格で売っているものは、当然そのクリエイターや販売元にお金が入るわけですが、海賊版の場合にはそのお金は犯罪者の元に流れます。これによって、オリジナルのクリエイターが金銭的な報酬を失います。
そしてそれにより、大幅にモチベーションダウンしますし、作品を発表する必要がなくなる、という発想になります。これは海賊版問題に限らずタネ明かし問題とも通ずるかもしれませんが、作品発表に対する正当な評価と対価が得られなくなれば、発表し続ける意味がなくなります。新たなアイデアが共有されなくなるんです。

ということで、これこそまさにマジック業界そのものの停滞を導く可能性がある行為であり、海賊版サイトから買い物をすることで、その行為に加担することになります

海賊版運営者が、本来の手品とは秘匿性が重要だから、海賊版サイトをつくることによって全マジッククリエイターのモチベーションを下げて秘密にさせまくって本来のあるべき手品を取り戻すんだ!みたいな高尚すぎるミッションを掲げていた場合、彼らの思うツボなんですが。

あと、海賊版は余裕で著作権違反でありグレーじゃなく真っ黒ですから、この倫理観で運営しているECサイトに対して、購入者は自分のクレジットカード情報やPaypal情報を与えることになります。そこからのリスクは少し考えればわかるとは思うんですが、そんなことにも気づかないセキュリティリテラシーの持ち主が顧客だ、ということです。クレカ不正請求とか勝手に使われたりとか、そういうリスクは当然存在します。ユーザー側のリスクも一定あるのは事実です。

きょうび、クレカ情報を抜かれることはないやろ、悪用されることはないやろ、と思う方、結構甘いですよ。海賊版じゃない正規のマジックショップですら、かつてアメリカにあったHank Leeという老舗マジックショップは客のクレジットカード情報を使ってガンガン不正請求して金を吸い上げ、56万ドルも盗んでいたので。

いやじゃあ海賊版サイトじゃなくてもマジックショップそのものが危ないやん、というツッコミは至極正しい。基本的には信頼できるマジックショップだけ、利用するのがいいと思います。日本国内も、海外もね。

心配な海外サイトがあればTwitterとかでDMしていただけるとわかる範囲でお答えしますよ。

海賊版サイトの見分け方

見分け方、というのを語ってることからお察しいただけるかと思いますが、現状、1つのサイトだけではありません。以下の条件を満たしていると海賊版であることが多い(らしい)です。

  • すべての商品が、既存のマジック小売サイトよりも死ぬほど安い。それこそ1ドルとか5ドルとか。

  • ダウンロード製品しかなく実体ある製品が売っていない

  • 実体ある製品なのに電子データ販売されている(例:手品の本)

このあたりを満たしてる場合、大体が海賊版販売サイトと思ってもらった方が良さそうです。
ただ見た目は結構小綺麗で、しっかりした販売サイトに見えるため、普通に間違って買ってしまう人もいるでしょう。もし買っちゃったら、クレカとか不正使用されてないか確認したほうがいいですよ…前述の通りですから…。

どうしてもお金がない場合

夢のような価格で手品が買えてしまう犯罪海賊版サイトですが、そうはいってもお金はない、というパターンはあります。そんなときにどうすればいいか。英語圏のマジック関係の巨大掲示板”Magic Cafe”のスレッドで真っ当な提案がありましたのでそちらをベースにしてここに記載します。

  • 図書館に行け
    自治体にもよりますが、日本で数多くの手品の本を出版している東京堂出版の本などが普通にあったりします。なくても、図書館はリクエストできることがほとんどですから、リクエストしてください。

  • 自分でつくれ
    なかなかハードなことを言ってるな、とは思いましたw

  • 優良な無料コンテンツを見ろ
    Vanishing Inc.などは初心者向けの無料コンテンツを出しています。Paul Wilsonというマジックの名人が80分もの解説動画を出してくれています、無料で。
    https://www.vanishingincmagic.com/freemagic/card-magic-course/

  • 友達から借りろ
    大手を振って薦められるものではないのですが、絶版モノも多い手品業界は貸し借りも有用な手ではあります。まぁ図書館の方がいいと思うよ。

  • パブリックドメインの作品を学べ
    著作権が切れた本(ただし英語がほとんど)がたくさんあります。それを学ぶのは一つの手。

  • YouTubeを見ろ
    著名なマジシャンが自分の演技をたくさんYouTubeにアップしています。パフォーマンスを見るだけでも非常に勉強になりますから、おすすめです。特にPenn & TellerによるFool Usは非常におすすめの番組です(Fool Usは出演したマジシャン自身がアップしていることが多いです。)
    また、大手を振って薦められるものではないのですが、タネ明かしYouTuberが一定、手品に触れるハードルを下げているのは事実と思います。しかしながら、タネ明かしYouTuberの質はピンキリであり、そもそも短尺でサクッと説明できること、再生数が稼げるビジュアルなものに偏っていることなど、内容はあまり薦められるものではありません。それなら上記のパブリックドメインを学んだり図書館で本を借りる方が幾分ましです。

▼日本にもファンが多いMario Lopezなど、名だたるマジシャンがFool Usに出演しています。

ほぼ同内容をPodcastで話しました

※ほぼ同内容です。YouTubeについてだけnoteの方が手厚く話しています。

今回の記事のベースとなった英語圏の参考ブログ


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