「時空を超えて出逢う魂の旅」特別編 ~琉球④~
神の取り計らいで、ノロ(神女)として生きる「光」。
育児放棄した大主に代わり、「白花」を光は育てる。
光は、ある家族の祭祀を命じられた。
陽が差さない、暗い家屋内。
陰鬱な主人と、怪しげなその妻を見るのも厭わしい。
光は、目を外にやる。
高熱で臥せる坊の寝所の外に、古木が見えた。
その木に宿る木霊に、光はたずねた。
”木霊殿。一体、この家の中で、何が起こっておるのだ”
木霊はすぐに、応えてくれた。
”10年ほど前だったか。
主人が連れ込んでいた愛人が産んだのが、その坊さ。