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嶋田青磁
2019年7月4日 21:40
近頃の息苦しさは梅雨の煮詰まったような空気のせいだろうか。何だか息をするたびにごろごろとした夾雑物が肺に取り込まれ、そのまま大きな花に生長してしまいそうな季節である。 先日、初めてニコラ・ド・スタール(1914-1955)という画家を知った。日本ではあまり知名度はないが、作品のどれもが力強さと繊細さをあわせ持つ、未だかつて見たことのない抽象画だった。わたしは部屋に「飾れる絵」と「飾れな
2019年3月24日 14:07
今年も花の香りを薄めた風が吹く季節になった。あちこちで緑が芽吹き、花々が淡い色を取り戻しはじめている。しかし、どれだけの人が気づいているのだろう。この春の営みにおいて、無視することのできない異様な存在が、巨塔のようにそびえていることを。それは、狂気である。春のもつ狂気性は、生々しいどころではなく、この世で表現できうる限りのリアリティをもってわたしたちに迫り来る。古今東西の芸術家が
2019年1月1日 22:28
平成最後の冬は、ちょっとエキセントリックな気分で。髪を、生まれて初めて青色に染めた。昼は浅瀬、夜は深い海に見える不思議な色に。光の当たり具合によっても、その色彩は刻々と変化する。8ヶ月間、会社に勤めて、社会と共生するということ、自分は何者であるか、あまりに考えることが多く、その中で「自分を表現する」意味を今でも追い続けている。-----------------行きつけの美容