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嶋田青磁
2018年11月30日 23:16
雪原と紛う白妙の砂漠砂粒はすべて諦念の化石である氷河のように永い時をかけ生の淵へむけ悠然と流れ往く 空と地平線の狭間一羽の鳥が白い翼を瞬かせ光の線を引いた 逃げ水を追い虹の都を夢見少女たちは旅を続ける この世界が巨大な砂時計であると知りながら #詩 #散文詩 #自由詩 #文学 #哲学 #小説
2018年11月12日 00:51
幽かな波音に呼び覚まされた昨夜から降り続いた雨音はなく、月の女神によって夜気のヴェールがかけられた世界は静寂のエーテルで満ちていた 満月の明かりが室内を朧げに照らし、天井には光の波紋が仄かに揺らめく レースのカーテンを開けると、潮騒と海の香りが、恍惚を伴ってわたしを抱擁した髪の、耳の、あらゆる隙間に潮の甘い風が指をすべらせる わたしは出窓に腰掛け、ネグリジェの裾を垂