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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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2022年3月の記事一覧

大学受験の最高峰‼️東大医学部の問題点提起❗️「東大医学部」

大学受験の最高峰‼️東大医学部の問題点提起❗️「東大医学部」

本(東大医学部)(長文失礼します)

日本で一番偏差値が高い大学学部である東大医学部の現状と問題点を説いた本です。灘高出身で東大医学部に現役合格した精神科医の和田秀樹さんと、ジャーナリストの鳥集徹さんの対談形式で、本編が進行していきます。

実はこの本、新聞の書評欄で見つけて面白そうなので買うことにしましたが、本を検索した結果、大学受験の医学部受験コーナーにありました。それほどに東大医学部(理科Ⅲ

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90歳の感性がスゴイ‼️「90歳セツの新聞ちぎり絵」

90歳の感性がスゴイ‼️「90歳セツの新聞ちぎり絵」

本(90歳セツの新聞ちぎり絵)

新聞書評欄の「売れてる本」で紹介された本です。面白そうなので買って読んでみると、なるほどと感心した1冊でした。作者の木村セツさんは、夫の死後何もすることがなくなり、翌年の2019年元日の90歳から新聞のちぎり絵を始めたそうです。 

内容は「お正月」「春」「夏」「秋」「冬」で構成され、それぞれ季節の素材のちぎり絵が描かれています。お正月はしめ飾り、春はブロッコリー

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東京湾に新東京駅計画‼️の回顧「丹下健三都市論集」

東京湾に新東京駅計画‼️の回顧「丹下健三都市論集」

本(丹下健三都市論集)(長文失礼します)

世界のTANGEといわれた建築家丹下健三(以下敬称略)の都市論集です。以前読んだ建築論集と二巻構成の姉妹編であり、建築家と同時に都市計画家でもあった丹下の論文集となっています。

内容はⅠ都市の再建、Ⅱ東京改造計画、Ⅲ巨大都市の未来の3章で構成されています。Ⅰ章では終戦からの都市の復興と再建、Ⅱ章では東京改造計画の具体例としての東京計画―1960、Ⅲ章で

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小型帆船で巡るイタリア半島の紀行本「海をゆくイタリア」

小型帆船で巡るイタリア半島の紀行本「海をゆくイタリア」

本(海をゆくイタリア)

地中海に囲まれた長靴型のイタリア各地を小型帆船で巡る紀行本です。筆者の内田洋子さんは1959年神戸市生まれで、東京外国語大学イタリア語を卒業後、通信社の代表をしながら、イタリアに関する様々なエッセイも出版しているエッセイストでもあります。

本書はイタリアで共同購入した小型帆船での海の紀行文ですが、本の構成は共同購入したイタリア人船長の航海日誌の形をとっています。
第1部

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