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ときめきエッセイ

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ほんとちょっとした気持ちの揺れを短編で綴ります。目を閉じてうたた寝してしまったら忘れてしまいそうな、そんな小さなときめきを忘れないうちに記録したいなぁ、みたいな集です。軽い気持ち…
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それは愛でも恋でもなく、渇望なのかもしれない

それは愛でも恋でもなく、渇望なのかもしれない

見上げるとキラキラと輝きながら
宙を待っているソレが
自分に降り注いくるのを
ぼんやりと見つめていた。

まるで
スローモーションのように見えていたソレは
いつのまにか自身の身体にまとわりつき
数グラムしかないこのキラキラたちが
凄くすごく重く感じて思わずよろける。

尻もちをつきながら
ふとステージに立つ彼らを見て

羨ましい

と思った。

全てがキラキラ輝いて見えたこの下からの景色
そちら側

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マイルドセブン

マイルドセブン

「娘に辞めてって言われたらタバコ卒業しようかな~」

そんな言葉はただの気まぐれで、結局父は唯一の実の娘に言われても煙草を辞めはしなかった。

父といえば煙草のイメージ。

キッチンの換気扇の下に椅子が常置されていて
そこには必ず、
ふわふわがついていない耳かきと
灰皿と水色のケースの煙草が置いてあった。
父のフルセットである。

父が部活のお迎えに来てくれる時は、なぜかいつも部活が長引いてしまう

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大きな虹と小さな思い出

大きな虹と小さな思い出

帰り道、空を見上げたら虹がかかっていた。

虹、久々にみたなぁ。

キレイだなって思ってカメラを向けた。

ふと、インスタを開いたら
地元に住んでいる親友のストーリーにも
虹の写真が上がっていた。

きっと同じ時間に同じ空を見上げて
「キレイだな」って思ったんだなって
それだけで胸が熱くなるくらい嬉しかった。

写真と空が繋げてくれた
小さくて忘れたくない思い出。

愛はひとつのチョコパイから始まる

愛はひとつのチョコパイから始まる

なんでもない日に
人が買ってくれたチョコパイを食べるのが
1番幸せだよねって話

チョコパイって絶妙に高級品
普通のチョコのお菓子よりちょっと高い
(個数もあんまり入ってないし)

でもまるでケーキを食べたかのような
食べ心地と満足感がある

お金があれば
世の中には
もっと美味しい食べ物だって
あるのかも知れないけど
深夜のチョコパイで
とてつもない幸福を感じられる今を
そっと抱きしめてあげたい

【私らしさ】の方程式

【私らしさ】の方程式

なーんかテンション上がらないなぁ

お気に入りの服を着てもなんか違うし
かといって新しい服を探しに行ってもパッとしない。

そんなモヤっとした日々が続いて
ふと鏡を見た時に思いついた。

「あ、髪を切ろう」

鏡に映っている自分の髪の毛は肩を越すくらい伸びていて、
憧れのロング、ではあるけどイマイチしっくりこなくて。

それは私の中でも友人の中でも
るに=ボブ
という方程式が出来上がっていて
今の

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24歳、たまごっちを買う

24歳、たまごっちを買う

正確には買ってもらったんだ。

友人に「誕生日プレゼント、なんでも好きなもの買ってあげるよ」って言われてウロウロしていたら、右の方から聞き馴染みのある「ぴーぴぴぴっ」という懐かしい電子音が聞こえて振り向く。

そこにはキーホルダーサイズで売られていた、たまごっちが並んでいた。

もうその瞬間、胸の高鳴りが止まらず「可愛いーーーーー」っともう1人の友人と駆け出した。

先程の誕生日プレゼントはたまご

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自己肯定感は髪色で上げるのよ

自己肯定感は髪色で上げるのよ

4年ぶりに髪の毛を明るめに染めた。

大学生の時はインナーをやったりブリーチしたり
髪の毛を色々遊びまくっていたけど
社会人になって髪色が自由な会社を選んだけれども
なんとなく周りの雰囲気に合わせて暗めに染めていた。

年も明けたし、今年こそ自分のための人生を歩みたくて
久々に明るめヘアにすることを決めた。

東京に来てから美容室が多すぎて
なかなかいいところが見つからなかったけど
今回行ったとこ

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夏雲とパンケーキとギター

夏雲とパンケーキとギター

8月8日

出かける準備を済ませ、外に出ると
キレイな夏の雲が浮かんでいた。

アクリル絵の具で描いたぐらい
コントラストが強い空は
夏休みの宿題に追われてたあの頃を思い出す

今日の目的は3つ
・喫茶店でパンケーキを食べること
・コスメを買うこと
・ギターと歌を練習すること

暑いのでギターは彼に任せて
いざ出発

朝ごはんが遅くてそんなにお腹が空いていなかったので、とりあえず目的の買い物。

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深夜の冷蔵庫

深夜の冷蔵庫

深夜に開ける冷蔵庫って
なんだかドキドキする

実家にいた頃
喉が渇き、麦茶を求めてリビングに降りる

別に悪いことはしていないけど
寝ている家族を起こさないように
携帯に備え付けの懐中電灯の灯りを頼りに
そーっと、そーっと降りる

そーっと冷蔵庫を開けると
冷たいのに温かな灯りが迎えてくれる

今日の残りおかず
小さな調味料たち
毎朝のお弁当用のウインナーとミートボール
名前が書かれたプリン

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痛みなんて忘れて好きなところに連れて行ってよ

痛みなんて忘れて好きなところに連れて行ってよ

痛いままじゃどこにも行けないでしょ?

新しい場所へ行くときも、新しいことを始めるときも、
チャレンジする時は誰だって不安で俯きたくなる。

「私には出来ないかも」
自分で自分を傷つけて、籠りたくなるのは
昔に引いた風邪をまだ拗らせているから。

痛みなんて忘れて

それでも変わりたいって思っているなら
そんな靴ずれだらけの靴じゃどこにも行けないんよ。

不安で俯きたくなったとき、
足元がツヤツヤ

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のろくない、のろい

のろくない、のろい

しっかりしてるね

そう言って大人の人たちは
私を褒めてくれる
私に期待してくれる
私の存在を認めてくれる

でもその言葉を投げかけられるたびに
なんだか身体がズシッと重くなる気がする

え、私ってしっかりしてるっけ?
本当の私ってもっとノロノロしてた気がする

マイペースでのんびり過ごすのが好きで
母にたくさん怒られてたっけ
「もうお姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」
でも、もうそんなこと言わ

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深夜の炭酸の美味しさといったら

深夜の炭酸の美味しさといったら

「なんか炭酸飲みたくない?」
もう歯磨きも終わってお布団についた夜、
横からそんな声が聞こえる。

たしかに今日は唐揚げを揚げたからか
お水を飲んでも飲んでも喉が乾く。

確かに揚げ物と炭酸の組み合わせは
これ以上にないくらい幸せな組み合わせだ。
太るけど。

深夜、上着を羽織って
家の近くの自販機で三ツ矢サイダーを買う。

徒歩1分の距離だけど
オシャレも気を遣わずすっぴんにメガネで
誰もいない

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誰もいない駅で

誰もいない駅で

師匠も走り出すような忙しい12月ももう終わり。
年の瀬に実家に帰省した。

先月も用事があり帰ってきたので
久しぶり感はないけども。

上京する前に感じてた窮屈感はそんなになくて
きっと東京で一人暮らしして気分がリセットされ
実家が居心地良く感じた。

離れて気づく良さもあるけど、
心がそんなに強くない私にとっては
ある程度の距離感は私には必要なのかもしれない

友人に久々に会うために電車で待ち合

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髪をバッサリ切って新年を待つ。

髪をバッサリ切って新年を待つ。

髪の毛を切りました。
ずいぶんと長くなった髪の毛を。

師走だから、って理由になるほど
何が忙しい、というわけではなかったけど、
誕生日とかライブとかクリスマスとか
なんだかんだ予定が詰め詰めで
あっという間に年末になってしまった。

軽くてスッキリした頭で
なんだか思考もスッキリした気がする。
いい新年を迎えられそう。

そう、ついでに今月で23歳になりました。
23歳の抱負でもツラツラ書こうと

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