香りゆたかなローチョコレート。魅惑の香りのひみつをプロが解説
今日はローチョコレートの香りのおはなしです。
ローチョコレートは香り豊か。
チョコレートがよい香りであることは
皆さんご存じだと思います。
ローチョコレートはその何倍も香ります。
お皿に並べるだけで、広がる香り。
ローチョコレートの撮影をしているときにも漂いました。
加熱した材料でつくる普通のチョコレート。
加熱をせずに天日干しした材料でつくるローチョコレート。
栄養価の違いは語られますが
香りの違いは語られていません。
わたしの私見でおはなしをします。
カカオは発酵食品
まず、加熱非加熱関係なしに
チョコレートは発酵食品です。
収穫されたばかりのカカオ豆からはチョコレートの香りはしません。
発酵させることでチョコレートらしい香りになります。
味噌、醬油、日本酒など
発酵の工程を経てつくられるものは香りが豊かですね。
チョコレートの魅惑的な香りは発酵によるものでした。
火入れ(ロースト)をする理由
醬油や味噌などの発酵食品は出荷する前に火入れをします。
発酵を止め、品質を一定に保つ目的です。
火入れをすると酵素や酵母のはたらきはなくなります。
カカオ豆をローストするのは香ばしさを加えるため、品質を安定させるためです。
火入れ(ロースト)をしないものも
生醬油、生酒(日本酒)、生みそなど
火入れをしていないものもあります。
フレッシュな味わい、風味のゆたかさ、香りのよさがあります。
ローカカオも火入れ(ロースト)しないことで
フレッシュな味わい、風味のゆたかさ、香りのよさを楽しめます。
火入れ(ロースト)をしないメリット
カカオ豆をローストすることで失われるおもな成分は以下の3つ。
・フェニルエチルアミン
恋愛ホルモンとも呼ばれます。
脳内でドーパミンの発生を促進させます。
抗うつ作用もあります。
・トリプトファン
必須アミノ酸のひとつ。
「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの材料になります。
この2つが入っているので
ローチョコレートを食べた時、気分の高まりが起こります。
火入れ(ロースト)をしてしまうと
・ビタミンC
・フェニルエチルアミン
・トリプトファン
が失われます。
火入れをしないローチョコレートには
栄養価
脳内神経伝達物質(の前駆体)が残っています。
まとめ
ローチョコレートの豊かな香り。
いくつかの理由がありました。
・発酵による香り
・火入れ(ロースト)しないので苦みがない。
苦い香りがしない。
・火入れ(ロースト)しないことでフレッシュで風味ゆたかな香り。
・栄養が残っていることにより脳内物質がはたらき、良い香りだと感じる。
ローチョコレートを食べたことのない方に
ローチョコレートを食べていただくと、目が輝きだします。
ローチョコレートをつくることにハードルを感じる方も
ローカカオパウダーを溶かすだけのチョコレートドリンクは簡単です。
脳内に幸せをもたらす香りを、体験してみてはいかがでしょうか。
ローチョコレートソースもおすすめです。