『ぼくのにせものをつくるには』は"いろんな本当の自分"を知るきっかけを与えてくれる
こんにちは。櫻子です。
中3男子、小1女子のママ、ADHD要素ありHSPのヨガイントラです。
さて、ヨシタケシンスケ。
だいぶ読んできましたが、それぞれ、ほんとうに味わい深い。
どうしても言語化してみたい気持ちに駆られて、最近のヨシタケシンスケさんの読書感想文のnoteはネタバレに近くなっている気がします(汗
ネタバレは嫌だ!という人は、この先は読まないで、まずはまっさらな自分で読んでみるのがおすすめです。
今の自分にぴったりの グッサリ、チクン、ざわざわ、こしょこしょ、ぴっかり、、、ポイントがあると思います。
誰にも刺さるところがあって、でも、それはそれぞれ違ってる、はず。
さて、他の人はどう読んだのかなぁと興味を持ってくれた方は、ぜひ、続きを読んでくださいw
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ものごとはたくさんの面があって、どこを見るかっていうのは見る人のフィルターにかかっているから、本は読む年齢によって味わいが違うとはよく言われます。
(『老人と海』は『ミステリという勿れ』でそれに引き合いに出されてたけど、若い頃に読まなかったからかなり残念な気持ちを持ってます。いや、一度も読んでないんだけど)
(っていうか、整くんがヨシタケシンスケ読んだら、どんな感想を抱くのだろう)
というわけで、小1の娘ちゃんは「あじつきのり れっちゃんもスキ」「さくぶんのしゅくだいは れっちゃんもきらい」「これ、絶対できない」「w w w」でした。
(もしわたしが小1で読んだらどうだったんだろう)
この本は50歳のわたしにとってはカウンセリング的自己認識を深める本でした。
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ヨシタケシンスケさんの『ぼくのにせものをつくるには』なのですが、タイトルと受け取るものが違うなっていうのがわたしにとっての第一印象でした。
にせもの作ろうとしてないじゃん。
ぼく(けんた)はのび太みたいに、面倒くさいことを任せたいからぼくのロボットを作ろうとします。
ロボットはちゃんとした偽物になるために、ぼくのことをあれやこれや聴いてくれます。
展開されているのは、"ぼく"が"けんた"を知っていく過程。
わたしの一番印象に残ったのは
他の人から見た"ぼく"はぼくが思っている"ぼく"とは違うってことが端的に記された見開き1ページ。
絵で、ママ、弟、パパ、おばあちゃん、先生、、、とそれぞれが"けんた"について語ってるのは、ほんとうにわかりやすかった。
さらに次のページ
かぞく、おばあちゃんち、ひとり、がっこう、、、それぞれの"場用のぼくぼく"を準備して登場させています。
人は場所によって意識して演じているわけではないのかもだけど、それぞれの"場"に応じた自分を適応させて生きて、ますよね。
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なんとなく、他の方々から見た"わたし"と自分が認識している"わたし"って違うよなって知ってはいます。なんとなく、違和感くらい。
その違和感、『ぼくのにせものをつくるには』後にちょっと振り返ってみるともっと具体的になっていて、
ヨガスタジオでレッスンをしているわたしは
息子くんには「気持ち悪い」、
生徒さんには「はっきり聞こえて元気をもらえる」で
前の会社の後輩の友だちには「愛想笑いすごい」で
わたしにとっては、「素のわたし」で。
(ヨガは素が出るんすよ)
やっぱりすごく違うんだなーっと、腑に落ちる感じ。
どれが"本当のわたし"なの?っていうとまた難しい問題で。
人って、多面的なんだなって、ものすごく色んな面があるんだなーって、
どれも本当なのかもなー、うんうんと何度も頷いてしまう感じでした。
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あと『ぼくのにせものをつくるには』の"ぼく"の要素それぞれは、わかるわかる、あるあるみたいなところがたくさんあって。
人は違うんだけれども、それは、完全に全く全然違うのではなくて、同じものを持ってはいてそれぞれのオンオフ、多い少ない、感じやすい感じにくいという、受け取りレベルが違うというだけ、なのかもと感じることができました。
完全に人と人は違うというと、その分離が孤独で寂しい。
でも、持ってるものは大体同じなんだよ、ただ、感じ方がちょっとずつ違うんだよということであれば、なんだかほっこりするし、どんなふうに違うのだろうというように知りたくなるし、近づいていけるうような、心地よい距離が保てるような、そんな気がしてきたのです。
最後に。
ヨシタケシンスケさんの本は"自分らしさ"の背中を優しく押してくれます。
今のところ、誰かににせものをお願いするつもりはないけれど、にせものをお願いできるほど自分のことを知らないなって、気づきました。
(まだまだ自己認識マニアは名乗れませんでした)
もっと自分のことを知ってあげたら、人の期待とか場にとかに流されてしまうことが減るのかも。
もっと自分のことを気にいることにつながるのかも。
"自分らしさ"に興味がある人に、おすすめの一冊でした。
読んでくださってありがとうございました。