蒲郡の海の風景
海鳥たちが
騒がしく舞う空には
輪郭のくっきりとした
入道雲が浮かんでいた
青さ際立つ夏空
眩しい陽光
夏の日差し
首筋に浮かぶ汗の玉
背中には羽根の形をした
汗の染み
むせかえるような夏の香り
白波の砕けて跳ねる滴の粒々
寄せては返す波打ち際に
積み重なった貝殻の山々
当たり前の日常に
巡る季節の音色質感実感
竹島を覆う樹木に
恩恵を得ている
蝉たちの大合唱
夏を感じるあちらこちらの
ざわめきを蒲郡の海は
その雄大なふところで
うけとめて
そうして僕らに向けて
教えてくれている
夏の蒲郡の海には
素晴らしいもので
溢れ返っているのだと!
太陽の光の下では
何もかもが楽しそうに
笑っているように見える
寄せる波も
子どもたちに
追いかけまわされてる
カニたちも
欠伸をしている犬と
仲睦まじい老夫婦も
恋人たちは夏の暑さも
気にならない様子でひっつき
若い子たちは片手に携帯
竹島をバックに記念撮影
360度に渡り人々の楽しむ姿が見られる
360度に渡り人々の楽しそうな声が聞こえてくる
蒲郡の海はそんな何もかもを
優しく受け入れてくれる
引き合わせては混ぜ合わせ
思い出の景色に変えては
大切な気持ちに気づかせてくれる
当たり前だと思っていても
着実に物事は
変わっていってしまうもの
ならばせめて思い出の中の
風景だけは変わらないように
守っていかなければいけない
波の音に空の青
海鳥の声や人のざわめき
時折滲み出す懐かしさ
潮の香りが嗅ぎたくなれば
僕は蒲郡の海を思い出す
心にはいつも
蒲郡の海がある
思い出に浸るのも悪くない
実際に見たくなれば
車に乗って出掛けるとしよう