心に刻む蒲郡の海の風景
見慣れた風景だろうとも
6歳で見た海の風景と
24歳に味わった海の風景も
35歳で振り返った海の風景は
全然別物で
きっと68歳で感じる海の風景は
40歳で眺めていた海の風景とも違って見えて
85歳の死に際に思い出す海の風景は
キラキラしていたりするのだろうか
今日と明日では
違う香り
違う表情
違う青
一つとして同じ色合い
同じ風景はどこにもなくて
その日その日がかけがえのない特別な風景
刻まれる光と影
折り重なる波音も
穏やかな音色の時もあれば
荒々しく猛り狂う日も
あったり
思い出の中の蒲郡を
思い出していくと
蒲郡の海はまるで生き物のように
僕の日常を彩ってくれている
また見にいきたくなるそんな蒲郡の海
描けば理想な蒲郡を夢見てしまうが
見に行けば現実としての素晴らしい海が
見られて満たしてくれる蒲郡の海
飛び回る海鳥や波の音
観光客たちの笑い声
キラキラと輝く景色の中に
日常を溶かしたくなるのは
刺激的な何かしらを
求めているからか
無いものねだりの我儘なのか
蒲郡の海は
誰に対しても平等に
当たり前のように
手を差し伸べてくれる
疲れた心を癒す為に
刺激を求める心を満たす為に
愛情を深める為に
出会いや逃避行
憩いや趣味の時間
求める形は様々だとしても
ちゃんと応えてくれる
そんな蒲郡の海が
僕は大好きだ
寄せては返す波打ち際に
かがみ込んで手のひらを
浸せば
思い出がまた一つ
増えていく
冷たい水の感触に感情が揺れて
キラキラと輝きまして
特別な日を演出してくれる
波音が身体の内側で
鳴り響くのを
夜寝る時に思い出しては
深い眠りへと沈んでいく
ワクワクを取り込みに
また蒲郡の海へ行こう
キラキラを味わいに
蒲郡の海を訪れよう
そうして僕の日常は
蒲郡の海に溶かしにいこう
思い出せば香りたつ蒲郡の海の風景を
これでもかと言わんばかりに
心に刻んでいくんだ