寂しがり屋な雨粒さん
寂しがり屋な雨粒さん
窓ガラスに張り付き
ぱたぱたと僕を呼ぶ
カーテンを開ければ
互いに目があって
にんまり照れ笑い
あちら側とこちら側
こんにちは雨粒さん
やあこんにちは誰かさん
雨粒の声は聞こえないから
脳内で勝手に擬人化
いつも人恋しそうにしてる雨粒さん
窓を叩きぱたぱた僕を呼ぶ
応えなきゃ悲しそうに
滴り落ちて窓いっぱいに
悲しみを貼り付けて
自己主張してくる寂しがり屋さん
窓を開ければ喜び勇み飛び込んで
抱きついてくるやんちゃもの
僕もそうだから気持ちはわかるよ
寂しい夜には友達と語り合いたくなる
今日みたいに寒い日なんか
特に人恋しくてしかたない
良かったら朝が来るまで
君の事を聞かせておくれよ
この街を濡らす前はどんな街を
君は濡らしてきたんだい?
君好みの傘の色は?
雨雲が流れていってしまうまでのひと時を
僕とおしゃべりしながら過ごそうよ
きっと素敵な時間になると思うよ