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Photo by
uzumakifuuko
弧を描くトンビと蒲郡の海
見上げれば
くるくると空に
弧を描くトンビ
甲高い鳴声がこだまする
蒲郡の海
寄せては返す波に
トンビの声が合わさると
なぜにこうも気持ちが
柔らかくなるのだろうか
潮の香り含む風にのって
軽やかに舞う猛禽類を
見ていると羨ましくなる
自分もあんな風に
空が飛べたら良いのになあ
太陽の日差し照りつける
三河湾がキラキラと眩く
輝きまして
白く砕ける波の向こうに
浮かぶ外国籍のタンカー
足元を恐る恐る歩いていく
小さなヤドカリ
浅瀬を泳ぐ小魚の群れ
積み重なる貝殻の山々
匂いたつ磯の香り
どこまでも続く営みの上を
トンビもまたくるくると
弧を描く飛び回っている
変わらない景色の中で
歳をとり見える意味合いも
変わっていってしまっても
海を見に来たら思い出せる
懐かしい感覚だけは大切に
していかなければ!
僕のこれからと
僕のいままでが
蒲郡の海を間に挟んで
溶けて混ざり
結びつながっていく