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tomoji8988
眠れない夜に呟く独り言1238日
真夜中に目が覚めた
静かな部屋の片隅で
僕は黒く染まっている
さっきまで見ていた夢の感触を
思い出そうとしたけど瞼の裏側にも
脳みそのひだの隙間にもどこにも見当たらない
手を伸ばして枕元の携帯を見たら
急に見た青い光に眼球が痛んだ
ぎゅっと目をつぶってゆっくり目を開く
携帯の強烈な光にゆっくり目を慣らしていく
表示されていた時刻は夜中の1時を回っていた
昨日一日中降り続いていた雨の音は聞こえない
僕が寝ている間に降りやんだのだろう
静かな夜は嫌いじゃない
真夜中に目が覚めるとほんの少しだけ
贅沢な気持ちになれる
子どもの頃は真夜中は大人の時間だった
そんな時間まで無駄に起きていた
子どもの頃が懐かしい
子どもは大人に憧れて
大人は子どもに戻りたい
歳をとるほどに時間が経つ感覚が
早まっていく様な気がするのは
気のせいだろうか
真夜中に目が覚めた僕の問いかけに
答えてくれる人はどこにもいない
だから僕の呟きは暗闇の中で
星屑の様に宙ぶらりん状態で瞬いている
窓の向こうの夜の闇より
明るく見える雨雲らしきシルエット
何も言わずに黙々と流れていく
雨雲たちは自分たちが
今どこに向かって流れているのか
気にならないのかな
じっと見上げる真夜中の底
取り留めもなく呟く独り言
夢から弾き出されて
どこにもいけない僕が一人
安らぎをもう一度探しに戻ろうか
それとも喉が渇いたから眠りに再びつく前に
トイレを済ませてコップ一杯の水でも
飲みにいこうか
頭の中は落ち着かない
ザワザワ
問いかけは止まらない
ザワザワ