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小さな光と羽虫と僕

光を求めてぱちぱちとガラスに向かって

ぶつかっていく羽虫の名前を僕は知らない

電球のかさの上には何年も掃除を

サボったがゆえのつけが2センチの厚さを

伴って築かれていた

小さな部屋を照らすたったひとつの電球が

僕の生活に影を落としていた

小さなテーブルの上

並べられた白い皿の中

覗き込めば僕の姿形をした影が

盛り付けられている

それを僕はスプーンを使って

すくい取り口に運ぶ

味はしない

腹の足しにもならない

ただただ虚しい作業の一つだ

自分の影を生きる糧にしてる

奴なんて僕以外に聞いた事もないが

生きていく為には仕方ないのだから

どうしようもない

光を求めて飛び回る羽虫が

ぱちばちと拍手をしているかの

ように僕の頭の上で騒がしい

今は虚しくともいつかは報われるかもしれない

羽虫は諦めない

絶えずガラスにぶつかっていく

電球から発せられる光を求めて一生懸命なのだ

僕は彼のように命を燃やして生きてはいない

彼のように虚しくとも諦めずに

立ち向かっていけば今よりも多少は気持ちが

晴れやかになるのだろうか

自らの影もまた味わい深い風味を醸し出して

惹きつけられる何かをミイダセラレルダロウカ

羽虫は諦めない

光を求めて飛び続けている

僕の頭の上でぱちぱちと拍手を

するかのように生きる喜びを

僕に気づかせるかのように羽虫は飛び続けている

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