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Photo by
nekonogara
目が覚めたら夕方で
目が覚めたら夕方で久しぶりの夜勤の疲れは
数時間くらいの睡眠じゃ拭いきれず
まだかすかに身体のあちこちにこびりついている
喉が乾いていた
台所でコップに水を注いで一気に飲み干した
喉がごくりと鳴って胃袋に水が流れ込んでいく
とろんとした微睡が薄いモヤのように
頭の中を漂っていた
考えはまとまらず点いては消えて
近づいては遠ざかってまた横になれば
そのまま寝れてしまいそうな感じだ
夜から朝へぐるりと地球が
回り巡った果てに今の僕がいる
大した仕事もしていないのに
疲れだけは溜まっていて
一日の大半を寝て過ごしたのに
このまま再び寝てしまったら
僕の今日一日はいったい何だったのだろうと
考えさせられてしまう
だから眠気を振り払い動きださねばならない
どこに行くという明確な目的はないが
とりあえず顔を洗って服を着替えて
夕暮れ時の町へとくりだす
夏が翳り始めてきた
外に出ると暑さが緩んで
部屋の中にいるより涼しくて
むしろ過ごしやすいくらい
ゆっくりと陽が沈んでいく
きれいな西陽に染まる空
僕にとっての今日がようやく今から始まる
まずはどこへいこう
当てはないがとりあえずは
微睡む感覚を振り払い
僕は夜の町へと踏み出していく