青空の下を歩いて行く
時折立ち止まり空を見上げるのは
これが夢ではなく現実だと再認識する為に
君の名前を呼ぶのは僕が一人ではないのだと
言い聞かせる為に
小声で君の名前を呼んだのは
返事が返ってこなくても悲しまないようする為に
後ろを振り向かないのはきっとそんな事をしたら
泣いてしまうから
ひたすら前を向いて歩くのは
自分を強く律する為に
地平線に吸い込まれていく
アスファルトの先が気になるが
僕が今いる場所からではまだその先は見えない
好奇心渦巻く未知の果て
まだまだその場所に辿り着くのは先の事
ふくらはぎがパンパンに膨らみ
熱をもって痛みとなって蓄積
なかなか足が動かないが
それでも満たされたいからこそ
歩いていくしかない
動かすしかない
頭の上をゆっくりと太陽が
地球の表面をなぞっていく
太陽の動きに合わせるように
僕の影もまた時計回りに動いていく
足元の影に話しかけたって
気が紛れる訳でもないし
返事が返ってくる訳でもないが
口は勝手に動いて
勝手に問いかけて
自ら問いかけた事柄に対して答えたり
紛らわす感情のあれこれ
寂しくないと言えば嘘になるし
楽しいかと言われてもうなずけないが
一人でいるよりはマシだ
当てのない旅には辛さしかないからこそ
自らの影を良き相棒として
時には話しかけて
心の安定を図りながら
いつかは飽きるかもしれないが
今は自らの影だけが僕の心の拠り所
希望を見出すには頼りないが
ふくらはぎの痛みを
一時は忘れられるのがありがたい
道のりはまだまだ果てしない
どこにたどり着けるかも分からないが
少なくとも地平線の先に吸い込まれる
アスファルトの果てに何があるかだけは
この目で見てみたい
後ろを振り返るにしても
そこに何があるかを見た後でも遅くはないだろう
今は前に向かってただひたすら歩いていく
太陽がジリジリと僕の肌を焼きあげていく
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