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ia19200102
眠気虫に支配されて
眼球の裏側に好んで
張り付く眠気虫
寄生された我が脳みそは
身体の主導権を握られ
瞼が勝手に閉じていく
手足に力が入らなくなる
立ち行かなくなれば
座り込み
漕ぎたくもないのに
小舟に乗せられて
揺蕩う波間で
どんぶらこっこ
どんぶらこ
揺れるうつつ
波打つ夢際
生温い幸せは
離れがたくて度し難い
眠気虫達は
そんな生温い幸せの
沼地に僕らを連れ込み
ズブズブにはめ込んでいく
一度寄生されれれば
抵抗も出来ずになすがまま
このままいけば沼地の底で
眠気虫の笑い声を聞くハメに
なるというのに
それでも良いかもしれないと
思い込んでいる我が脳みそは
もうすでに手に負えない
状態にまで陥っている模様
僕はもはや自らの行動に
思考が回らない
小舟から身を乗り出し
沼地に頭をつけて
そのまま身体を持ち上げて
ドボンと落ちていく
生温くドス黒い幸せが
全身にまとわりついてくる
息が吸えなくとも関係ない
醜くくも得難い欲求に
身を浸したい衝動のみが
今の僕を突き動かしている
笑い声が聞こえる
眠気虫の笑い声だ
あぁもはや何も考えられない
夢の中に落ちていく
快楽が僕のすべてだ
眠気虫達羽ばたく快楽の園
宴が始まる