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眠気虫に支配されて

眼球の裏側に好んで

張り付く眠気虫

寄生された我が脳みそは

身体の主導権を握られ

瞼が勝手に閉じていく

手足に力が入らなくなる

立ち行かなくなれば

座り込み

漕ぎたくもないのに

小舟に乗せられて

揺蕩う波間で

どんぶらこっこ

どんぶらこ

揺れるうつつ

波打つ夢際

生温い幸せは

離れがたくて度し難い

眠気虫達は

そんな生温い幸せの

沼地に僕らを連れ込み

ズブズブにはめ込んでいく

一度寄生されれれば

抵抗も出来ずになすがまま

このままいけば沼地の底で

眠気虫の笑い声を聞くハメに

なるというのに

それでも良いかもしれないと

思い込んでいる我が脳みそは

もうすでに手に負えない

状態にまで陥っている模様

僕はもはや自らの行動に

思考が回らない

小舟から身を乗り出し

沼地に頭をつけて

そのまま身体を持ち上げて

ドボンと落ちていく

生温くドス黒い幸せが

全身にまとわりついてくる

息が吸えなくとも関係ない

醜くくも得難い欲求に

身を浸したい衝動のみが

今の僕を突き動かしている

笑い声が聞こえる

眠気虫の笑い声だ

あぁもはや何も考えられない

夢の中に落ちていく

快楽が僕のすべてだ

眠気虫達羽ばたく快楽の園

宴が始まる


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