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Photo by
super_lotus733
球体を転がしながら
地平線の先
アスファルトの上で
ゆらゆら踊る蜃気楼
空の上から太陽がギラギラ輝いて僕を見ている
ゆっくりとだけども着実に
僕は球体を転がしながら前に進んでいく
はじめに球体を転がし始めた時は
そこまで苦しくはなかったが徐々に
球体が膨らんできたからこそかかる重さが
僕の思考を鈍らせていく
順調に進んでいると思った
矢先に足を滑らせて転び頭を打ち
手のひらや首筋にかいた汗が
僕と球体との関係を乱れさせていく
あぁ苦しくともはじめたからには
途中で投げ出したく無い
今日も僕は球体とともに歩いていく
後ろを振り向けば転がる球体に押し潰された
草木や思考の残骸でこぼこした何かの塊
アスファルトに張り付き
乾いた風がそんな有象無象の上を吹き抜けていく
太陽に焼き尽くされる前までに
僕は歩ききれるだろうか
どこまでという明確な目的は
無いからどこまで行ってもそこはゴールじゃない
だからこれはただの僕の自己満足
球体をどこまで転がしていけるか
それだけの求めて始めた衝動的旅路なのだ
この先に何かが見つかればめっけもんだ
何も手に入らない事はないだろう
少なくとも何かは確実に手に入るだろうから
その何かがなんなのかを見極めるだけでも
この旅を続ける意味はあると言うもの
重くて険しくて長い道のりだ
ジリジリと太陽が笑っている
この旅は頭の中で言葉が生まれても
それが上手い事噛みあわないのに
もがきあがいて積み重ねていくのに
少し似てるかもしれない
疲れるし徒労に終わるかもしれないが
最後がどうであれ今を楽しみ
明日を夢見てとりあえず僕はまだまだ
球体を転がしながら歩いていく