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Photo by
shiori44
誰かが夢見る世界で踊る
時折頭をよぎるのは
まるで僕は今誰かが夢見ている物語の中で
生きてるんじゃないかって事
僕自身は気づいてはいないが
実はこの人生はそいつが定めた設定の上で
成り立っていて話す言葉にも台本があって
誰かと出会い何かと別れ
明日にはどうなっているのか
僕はそれにそうように
生きてるんじゃないかって事
優柔不断でも物事は勝手に何かが選び決められ
僕を無視して勝手に時間は過ぎていく
僕が考える前にすでに物事は決まっていて
僕の意思決定権なんて初めからどこにもないのだ
身の回りの風景もどんどん変わっていく
僕が嫌だと言っても市民プールは図書館に変わり
マンションはずんずん建てられて
瞬きするたびに変わっていく世界の速さ醜さ
悲しんでる暇もないほど
あっという間に一日が終わる
何かが終わっても
また何かが勝手に始まり
知らぬ間に僕を主人公に
見知らぬ誰かさんは
果たして僕をどこへ連れて行き
何を見せようとしているのだろうか
毎日が楽しい時もあるが
毎日が辛い時もあり
もう少しぐらい物語の細部を突き詰めてから
僕を動かしてもらいたいものだ
行き当たりばったり感が否めない
夢の中で踊る僕を
見る見知らぬ誰かにとってはクライマックスに
僕にどのような最後を迎えさせるのか
その大筋のところはすでに決まっているのかな
それともこれはライブ感覚で
組み立てられた危なかっしい
橋の上に成り立っているのかな
僕自身は後者のように思えるが
果たしてどうだろうか
回る地球の片隅で
今日も誰かの夢見る世界で
その誰かさんが
お気に召してくれるように
僕は踊る踊る
不器用に手足を動かしては
おどけて生きていく