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誰かが夢見る世界で踊る

時折頭をよぎるのは

まるで僕は今誰かが夢見ている物語の中で

生きてるんじゃないかって事

僕自身は気づいてはいないが

実はこの人生はそいつが定めた設定の上で

成り立っていて話す言葉にも台本があって

誰かと出会い何かと別れ

明日にはどうなっているのか

僕はそれにそうように

生きてるんじゃないかって事

優柔不断でも物事は勝手に何かが選び決められ

僕を無視して勝手に時間は過ぎていく

僕が考える前にすでに物事は決まっていて

僕の意思決定権なんて初めからどこにもないのだ

身の回りの風景もどんどん変わっていく

僕が嫌だと言っても市民プールは図書館に変わり

マンションはずんずん建てられて

瞬きするたびに変わっていく世界の速さ醜さ

悲しんでる暇もないほど

あっという間に一日が終わる

何かが終わっても

また何かが勝手に始まり

知らぬ間に僕を主人公に

見知らぬ誰かさんは

果たして僕をどこへ連れて行き

何を見せようとしているのだろうか

毎日が楽しい時もあるが

毎日が辛い時もあり

もう少しぐらい物語の細部を突き詰めてから

僕を動かしてもらいたいものだ

行き当たりばったり感が否めない

夢の中で踊る僕を

見る見知らぬ誰かにとってはクライマックスに

僕にどのような最後を迎えさせるのか

その大筋のところはすでに決まっているのかな

それともこれはライブ感覚で

組み立てられた危なかっしい

橋の上に成り立っているのかな

僕自身は後者のように思えるが

果たしてどうだろうか

回る地球の片隅で

今日も誰かの夢見る世界で

その誰かさんが

お気に召してくれるように

僕は踊る踊る

不器用に手足を動かしては

おどけて生きていく

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