見出し画像

業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社 その1.2 私の推したい会社 当たり前過ぎて意識しなくなっていること 

 私の推したい会社は、業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社です。

 その理由を一言で言えば、業務で使われる程最先端で信頼性が高い技術を民生用に昇華して日々の暮らしの中に活かせるからです。

 具体的には例えばソニーさん。

 その1.0では民生用の製品は皆さんの染みの少ない放送業務用制作機材に絞ってご紹介し、今後の期待感まで吐露させて頂きました。その辺りはこちらをお楽しみ下さい。

 如何でしょうか。街で見かけるソニーさんの製品とは全くの異なるプロフェッショナル向けの機能美を感じる製品群って素敵ですよね。
 このとんでもない高価な業務用製品向けの技術が民生用にもフィードバックされていると思うと、何かお得感を感じませんか?
 というオチでした。

 その1.1はソニー・インタラクティブエンタテインメントグループさん。研究所が手掛けた際物(きわもの)を民生用、しかもゲーム機という最も大衆ウケするプラットフォームにというお話でした。

 今回は、ソニーさんとCBSソニー(ソニー・ミュージックスタジオ)さんの話です。

 具体的にはソニーさんの民生用製品を元に、ソニーさんとCBSソニーさん(ソニー・ミュージックスタジオ)さんが業務用製品を共同開発され、余りの好評のためにその業務用製品は、今ではまるで民生用製品の様に販売されているという珍しいお話です。

 民生品→業務用品→民生品
て感じかなぁ…

 その製品はMDR-CD900STというモニターヘッドホンです。それはソニーが1985年に発売したヘッドフォン MDR-CD900 を元に、ソニーとソニー・ミュージックスタジオの共同開発によって誕生しました。
 元になった民生品のMDR-CD900はハウジングに光沢が有り、折りたたみ対応、カールコード、2wayプラグなどが特徴です。
 因みに同時期に併売されたMDR-CD700は、ヘッドバンドが後のCD900STと同様やや小ぶりになり、折りたためないほか、コードもストレートであることなどの違いが見られました。

 その辺りの詳細はこちらが詳しいのでご興味有ればご参考になさって下さい。


 話は戻ってそのMDR-CD900STというモニターヘッドホンは、CBS・ソニーのスタジオで使用するために開発されたモデルで、当初は非売品で MDR-CD900CBS というモデル名だったそうです。その後バブル時代初期の1989年に国内のスタジオ向に発売されました。これは私も目にする位のかなりニュースになりました。実際に私も色々な記事を読み憧れの名機というイメージを持ちました。発売の際に、MDR-CD900CBS から MDR-CD900ST へモデル名が変更されたそうです。

 もう少し掘り下げるとMDR-CD900CBS はともともとは、CBSソニー信濃町スタジオ(現:ソニー・ミュージックスタジオ)で使用することを目的として開発されたのだそうです。極少数の世界最高レベルのプロフェッショナルが寄って集(たか)って緻密な試作を繰り返す姿を想像するだけで何か楽しいですよね。作り込みが重ねられた作品だそうです。この辺りが最高の品質を追求し続けるソニーさんらしくて物理屋の私としてはワクワクするところです。

 その後スタジオユースの業務用として販売するに至りました。当時から数多くのレコーディングスタジオで愛用されています。
 業務用なので外箱のデザインから内箱、梱包ビニールなど凝ったデザインを施しているコテコテの民生品とは全くの異なり素っ気ない茶色の箱に入っています。それを開けるとこれまたしっかりしてるものの素っ気ないビニール袋に厳重に密封されていて、小さな紙が1枚入っています、スペックと業務用なので修理はできませんとの但し書き。それもまたプロフェッショナルっぽくて良い感じ。それが山積みされていて消耗品扱いでガンガン使われる感じですかねぇ。またスタジオ関係者のみならずアーティストからも絶大な信頼を得ています。その為かTV・ラジオ・雑誌などでも数多く取り上げられ、その結果、一般の方からの購入希望が殺到し、その要望に応えるべく1995年より消費者向けに販売も開始されました。そのまま名機、標準機、ある意味でリファレンスモデルとして現在に至っている様です。

 MDR-CD900STについての詳細は、以下をご参考になさって下さい。


 このMDR-CD900STを19,800円 (税込)で購入できるのですから、まるで夢のような世界…


 ということで業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせているということが極まって、業務用機器がそのまま民生用機器として販売されている珍しい事例をご紹介させて頂きました。

 そんなソニーさんは、私の推したい会社なのです。

蛇足
 そういう私もレコードを聴く為の専用プリアンプ、業務用CDプレイヤー、カセットデッキのヘッドホン端子に挿しっぱなしのものと、テレビの高音質音声出力からMDR-CD900ST専用ヘッドホンアンプを通してこれもテレビ毎に繋ぎっぱなしのものなど数台が自宅と本宅で活躍中です。それ以外にも数台が廃番に備えてストックされています。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?