2023.9月(10冊ログ)
毎月、読んだ本から「10冊」紹介しています。
1. #かたちには理由がある
プロダクトデザイナー秋田道夫さんが伝える「かたち」の捉え方。”デザインは「素敵な妥協」””大量に使われる製品は「研ぎ澄まされたふつう」でなければならない””「穏やか」がないと一緒には暮らせない”と。ほほぉ!!
公共機器から生活用品に至るまでデザインしてきた著者の思考や過去の経験は、聡明でエレガントで思慮深かった。「モノづくり」の人が見ている視点はいつも本質的で、写真や表現への深みが全然違うと思っている。そして諦めない心をチャージできた。
2. #エネルギーを整える
この世のすべてがエネルギーで出来ているの法則。だから整えれば人生が変わっていく的な。シンプルに、そうだと思う。行く場所、会う人、出来事など、「なんとなく」という感覚はエネルギーを感じ取っている現象だろうし。
このジャンルの本をたくさん読んできた自信がある。その上で、この本がすごくいいと思ったのは、「自分の素直な気持ちを表現していい」とあったこと。もちろんアファメーション、衣食住環境の改善、運の上げ方など具体的手法も書かれている。その上で「人間関係」が最後に循環してくるエネルギーにつながる説明こそがわかりやすく、理解した上でのエネルギーの表現が心地いいものだった。大切にしたいもの・こと・人を思いっきり大切にするためにエネルギーを整えていく所存。
3.#クレーム対応「完全撃退」マニュアル
元刑事の経験を生かし、大手流通業でもトラブルやハードクレームの対応にあたり、「困難なクレームを解決し、企業の危機管理を援護する」をモットーに(株)エンゴシステムを設立した著者。豊富な現場経験と独自のノウハウをもとにリアルタイムで企業、医療機関、役所等をサポートしている。
クレームのバリエーションが多く、難易度の高い実例を知ることができる。これはクレーム図鑑だ。なんとなく昨今ヤバくないか?と思っていたことに合点がいった。さすがにこれを読んでいると、目の前の世界は大したことない気もしてくるし、消費者マナーを持ちつづける年齢の重ね方をしたい。最初の5分を演じ切る、長くて30分まで、毅然と対応するための呼吸法が、かなり実用的だった。
4. #ナガオカケンメイの眼
ロングライフデザイン活動家。『d design travel』発行人 ナガオカケンメイさん著。10年間のメルマガから107の視点。
書き続けるって、問い続けるってことで、毎日毎日いろんなことの定義をなんだろう?と疑問を持ち、自分なりの考えが出るまで考え続ける、日々何個も何個も重なって、ある時一旦、今のところの自分の哲学が導き出される。
シンプルにスタイリッシュに、めちゃくちゃあたたかい想いが深くて。「ロングライフデザイン」のビジョンが伝わるためにあるようでもあった。私が読んで、この本からもらったことを一部。「元気な人」でいよう。「笑顔」でいよう。「あの人に何かしてあげたい」を持とう。「商売」は真剣にやろう。「気持ちのこもった」ことをするために穏やかでいよう。
この本の温度感、すごく好きでした。
5.#物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む
「自分のキャラを決めて、それを演じきる」という「物語思考」。この説明がすごくわかりやすかった。心構えとかやる気、勇気に一切フォーカスしない、完全なHow toに絞ってあり、とりあえずこれをやればいいだけの話。私は、こういうのを実は待っていた気がする。
5つのステップに沿ってワークを行いながら読み進めるが、ステップ1で私は衝撃を受けた。今まで何度も何度も概念としては取り入れてきたはずなのに、本書の中にある解像度を上げて考える説明書によって、まったく今までとは違う考えがでてきた。ワークもまだ20%くらいの進捗だけど、キャラを作って、他人事化を利用してメンタルバランスを保ちつつ、主人公が日々あーだこーだ言いながら成長している姿をソーシャルメディアに晒していこうと思う。
6. #おれに聞くの ?
哲学的、文学的、どこかの誰かの引用が崇高なのに、なるべく適当であれ、宇宙なのだから、という流れ。「人生とは」的なことをずっとずっと何度も考えたことがあって、いつまでも問答ジプシーの気持ちになっている方にはとてもお薦めです。
人間は悩むことが決まっている。だからみんな悩んで生きている。まぁ誰かが解決してくれるという嘘には騙されないように、人間という宇宙をなめないように、自分でどうにかしてください。ということです。だって全部大したことないみたいですよ。そういう気持ちに落ち着きましたことをご報告いたします。
7.#ルミネッセンス
夏の終わり、秋の始まりにぴったりの本を読んだ。自分でもまだ気づいていなかった衝動が沸き起こった感覚は、ホラーだと思う。
真っ暗な車の中にいたら、急にどこかから強いヘッドライトが差し込んできた感覚のドキッ!というなぜか何もしてないのに姿を隠したくなるような、そんな感覚の連続だった。何度も否定するけど、止められなかった瞬間、踏み入れてしまった瞬間は、覚悟ではなく欲動。
8.#わっしょい!妊婦
妊婦だったころがあるのに、忘れていた気持ちを思い出す。忘れていたのはたぶん思い出したくない記憶なんだと思う。耐えてきた日々を忘れるために、産後のドタバタ育児があるのかもしれない。振り返れば妊婦の時は幸せだったと感じるような仕組みだ。
妊婦生活は千差万別で、完璧に誰かと一緒という事はないし、人に話すことも面倒くさいほど、肉体的にも精神的にも追い込まれる。しかし周囲の祝福モード、医療機関からの「お母さんなんだから」を早々に突き付けられ、妊婦は幸せだ、すべてを我慢するしかない文化が根付いているのかもしれない。共感しつつ、今後出会う妊婦さんへは敬意を。
9.#魔女だったかもしれないわたし
この本はファンタジーの要素をなるべく減らしながらも失わず、かなりリアルな学校やソーシャルメディアの世界を通じて失われつつある人生哲学を取り戻すためにあるんじゃないかと思った。この領域の理解をできる人を救い、この領域でしか理解できない人を生かさないとってことじゃないかな。
児童文学としては難しいかもしれないけど、小学生の芦田愛菜さんだったら絶対わかるじゃん!みたいなレベル感で、大人の私が読んでもすごくよかった。学校の図書室にとてつもなく、行きたくなりました。図書館じゃなくて学校の図書室。そこにいる子どもたちと本の話をしたいなぁ。
10. #こころと脳の対話
夢と無意識、シンクロニシティとは何か、魂の専門家と脳科学者の対話。研究結果と、思いつく可能性の範囲が広すぎて、対話形式だけど大学の講義だった。
夢日記には興味を持っていたことを思い出した。無意識やシンクロニシティは現代では疑う人はいない領域。次にどう捉えてどう取り入れるかを考えるステージへ。
おわり。
今月も読んでくださってありがとうございました。来月も書きますので良かったら遊びに来てください。