ダイヤモンドのような輝き|江戸切子(展示会レポ有)
こんにちは♪
レコールドムジークの講師です(*^^)💎✨
今回の記事は、日本の伝統文化・伝統芸のシリーズ第2弾として、
江戸切子について書いてまいります!
本記事のために、「明日への扉 by アットホーム」の動画から学びつつ、
実際に江戸切子の展示も見てまいりましたので、その記録をもとにご紹介いたします。
江戸切子の輝きと歴史
江戸切子は東京を代表する伝統工芸品です。
日本に残っている、最古のカットガラスの資料は、奈良時代の「白瑠璃碗」に遡り、この碗はシルクロードを通じてもたらされたとされています。
以下の資料によると、現在のイラクにあたるメソポタミア地方にて、ソーダ石灰ガラスという種類の素材を使って作られていたとの記述があります。
ガラスそのものは、飛鳥時代(6〜8世紀)から日本にありましたが、当時は技術的に非常に貴重で、装飾品や儀式用の小さな器具に限られていました。
そのため日本のガラス工芸の歴史は、前述のガラス碗のように、輸入されたものが中心だったと推察されます。
江戸切子の始まりと進化
ガラスへの彫刻技術(カット技法)は、江戸時代の1834年に、ガラス職人である加賀屋久兵衛が、日本橋のお店で試みたのが最初だとされています。
その後、江戸時代後期にはカットグラスの技術が発展し、日本のガラス工芸として定着しました。
鍋谷グラス工芸社と現代の職人さんたち
動画内で紹介されていた、東京大田区にある『鍋谷グラス工芸社』にて、4代目の鍋谷海斗さんはお父様の背中を追いながら伝統を守りつつも、新たなデザインに挑戦されています。
海斗さんが動画の中で挑戦されていた「see glass」という作品、お気に入りです🐟🌊
江戸切子の制作工程
江戸切子の制作には、熟練の技術と細やかな手作業が求められます。
生地と呼ばれる無色透明のガラスに色ガラスを重ね、色ガラスの表面を削ることで美しい文様を作り出します。
使用される工具は、ダイヤモンドホイールです。文様やデザインによって、400種類のホイールから選んで、ガラスを削ります。
粗摺りと呼ばれる工程でざっくりとしたカットを施し、その後、細かい刃で仕上げる「石かけ」作業が行われます。職人は寸分のずれも許されません。
主な工程は以下の通りです。
割り出し・墨付け
:下絵ではなく、当てとなる線(目印)をつける。
荒摺り・三番掛け
:金剛砂を使用して模様の基礎となる幅や深さを削り出す。下絵がないため、線の太さや深さ、バランスは職人の経験によって削っていく。
時間をかけてしまうと、削った線に段が出てしまうので、いかに速く、質の良い作品を作ることができるか、時間が勝負なのだとか。
石掛け
:模様を整え、細かく仕上げるために砥石の円盤で磨き、完成へと近づける。
磨き
:最後に表面を磨き上げ、江戸切子ならではの透明感と輝きを引き出す。
伝統文様に込められた願い
江戸切子には、「魚子(ななこ)」や「七宝」など縁起の良い文様が彫られ、それぞれが子孫繁栄や円満の願いを象徴しています。
鍋谷海斗さんの作品にも、「菊繋ぎ」や「八角籠目」といった文様が施され、これらは不老長寿や魔除け、幸運を象徴しています。
動画内で紹介されていた、六本木の「kappou ukai」さんでは、鍋谷さんが制作された江戸切子のグラスで日本酒を楽しめる機会もあるとのこと。
素敵(*^^*)
展示会!
今、Kagami クリスタルのパレスショップにて、鍋谷聰先生および淳一先生の作品が実際に展示されている(&常設の作品もあり)ということでしたので、早速行ってまいりました!!!🔍
※お店の方からの許可を得て撮影しております。
本当に綺麗!
こんなに精緻な江戸切子、見たことない!!!
冗談抜きで、本当にダイヤモンドのようでした・・・写真で伝わると良いのですが^^;
覗き込むと万華鏡みたいですね・・・見る角度によって、表情が全く異なります。
店員さんによると、最近は色のバリエーションも増えてきているのだとか。
以下のお花シリーズでは、グラスの上から覗くと、作品のお名前の通りのお花の模様が見えます。
上からライトをかざすと、まるで氷のアートのようですね。
下に映し出される影まで美しいです。
Kagamiクリスタルさんが使用されている素材ですが、赤は、濃度が濃い目の青味のある赤で、原料に金を使用している「金赤」と採用しているとのこと。より一層美しさが引き立ちます。
また、色が4枚重ねになっている生地を使用したグラスもございました。 黄色、透明、緑、黄色、のような感じ。
江戸切子が織り成す未来
江戸切子の光彩は、日本の美意識と現代の創造力が交錯する芸術です。
その卓越した技巧と優雅なデザインは、私たちの日常に一瞬の彩りを添え、生活を豊かにしてくれます。江戸で育まれたこの伝統が未来へと受け継がれ、さらに新しい美を紡いでいくことを願わずにはいられません。廃れてほしくない!!!
江戸切子が持つ輝きと共に、未来へと続くその煌めきを、私たちも心から見守り、職人さんたちを応援し続けたいと思います。