- 運営しているクリエイター
2023年2月の記事一覧
泡沫のような奇跡を 《前》
深い、水底まで沈んでいくような感覚を今でも覚えてる。
光も届かない。
音も届かない。
何もない。
誰もいない。
拭えないその感覚を抱いて、私は今日も目を覚ます。
上体を起こして、腕の力で椅子に座る。
それが、私の歩き方。
「朝ごはんまだ?」
リビングに顔を出すと、バターのいい香り。
「あら、今日の授業は……」
「もう夏休み!だからちょっと散歩でもしようかなって」
腕で車輪を回
泡沫のような奇跡を 《後》
「おっ待たせ~」
「ごめん、海の家ちょっと混んでて」
注文された品を、それぞれに渡していく。
その最中、さっきまでとは少しだけ雰囲気が違うように思えた。
ご飯を食べ終えて、二人はまた海へと向かい、俺と咲月はまた留守番。
気温も落ち着いてきて、潮風も相まって涼しさも感じてきた。
「……」
だけど、昼食前とは違って、咲月から話しかけてくることはなく、話しかけてもぼやけた回答しか返ってこない
推し以外のメンバーとお家デートをしても理性を保てるのか?
○:眠いっすなぁ...
僕は○○。特に強みもない大学生。
そろそろ、何か強みを得ないといけないと思いつつも
なかなか、行動を起こせません。
その証拠に私はソファーに寝転がりながら
ぼーっとスマホをいじり倒しています。
しかし、ある事には行動を起こせるんです!
ピンポーン...
とインターホンが鳴り
大きめの段ボールを猫の業者さんから受け取る。
僕は受け取って、すぐにハサミで封を開封
「吾輩は"にゃぎ"である」
大学に入学して2ヶ月が経った頃
和:「○○さん、好きです!」
私は1学年上の○○さんに告白した。
和:「私と付き合ってください!」
○:「和...僕も好きだよ。こちらこそ...よろしくね。」
私たちが初めて出会ったのは大学の構内にある図書館だった。
入学したばかりで本の探し方やレポートの書き方が
よく分からなかった私に図書館に
何度も来ていた○○さんが優しく丁寧に教えてくれた。
『あおはるっ!』 第10話
和・ねえねえ、後どのくらいかな
〇・あと半分くらいじゃない?
和・そっか……
和はそう呟くと、おもむろに立ち上がった。
和・じゃあ、後の半分は……
そして、俺の隣に座る。
和・隣、いいかな?
落ち着き始めていた心音が、再びテンポとボリュームを急激に上げる。
〇・ア、イ、イイヨ
ちょっと、状況を冷静に把握しないと……
あと半分だねって話してて、そうしたら和が隣に来て……
いや、な
『あおはるっ!』 第11話
「やるじゃん」
そう言ったのはいいものの、私の心中は穏やかじゃなかった。
あの日から一週間が経って、○○と和の仲はより一層深まった。
当然だ。
球技大会は二人で優勝をつかみ取って、観覧車のトラブルは二人で支え合ってたんだから。
最近の二人を見ていると、なんとなく私は○○にとって邪魔なんじゃないかと思ってしまう。
〇・あ、プリント半分持とうか?
先生に頼まれたプリントの山。
職員室ま
『あおはるっ!』 第12話
夏に入り、衣替えの季節。
ブレザーからワイシャツに変わり、それでもなお暑い毎日がやってくる。
和・もう夏だね~
咲・うん、暑くて嫌になっちゃうね
じりじりと照り付ける陽光。
教室の中で本当によかったとすら思わせる。
〇・腕、どうしたの?
半袖の和の腕。
痛々しい湿布が貼られていた。
和・これ?ちょっと、弓で……
弓?
薺・うちの学校に弓道部あったっけ?
確かに。
うちに弓道
僕にチョコをくれたのが誰なのか、幼馴染は全然教えてくれません
明日はバレンタイン。
最後に手作りでチョコを作ったのなんて、小学校の頃以来……
一抹の不安は残るものの、
「よし……!」
髪を後ろに結んで、袖を捲くる。
買い物袋から取り出すのは生クリームと薄力粉。
卵と、失敗してもいい用の沢山の板チョコ。
「レシピ、レシピ……」
スマホでレシピを調べて、いざ調理開始。
彼の好みはよく知ってる。
そこは幼馴染の有利なところ。
コンビニでよくガ
「寝てる時のひみつ。」
1.
〇〇 : 社会人も大変でしょ?
和 : 時間がなぁい〜
〇〇 : 言ったでしょ、大学生の間に沢山遊びなって。
和 : 言ってたけど…もっと言ってよ、、
〇〇 : 言ったけどなぁ。
2.
和 : 〇〇とも、中々会えないし…
〇〇 : 僕も社会人3年目で、任せられる仕事も増えてるしな。
和 : …なぎ、寂しい、、
〇〇 : ごめんねちゃんと時間作れるようにするよ。
3.