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「吾輩は"にゃぎ"である」






大学に入学して2ヶ月が経った頃




和:「○○さん、好きです!」

私は1学年上の○○さんに告白した。


和:「私と付き合ってください!」




○:「和...僕も好きだよ。こちらこそ...よろしくね。」



私たちが初めて出会ったのは大学の構内にある図書館だった。



入学したばかりで本の探し方やレポートの書き方が


よく分からなかった私に図書館に


何度も来ていた○○さんが優しく丁寧に教えてくれた。

私はそこで彼に一目惚れした。


○○さんは本当にかっこよくて


人生2周目なのか?と思うくらい常に落ち着いていた。



高校時代も今もモテモテだろうな〜
彼女さんはどんな感じの人かな〜

と出会った当初は思っていたのだが

彼女は一度も出来たことがないと
彼は自虐的に照れくさそうに笑いながら言っていた。

それから私は図書館に通うようになり
○○さんと距離を縮めた。

和:「両想いですね...///」

○:「うん...///」

そして、無事に付き合うことが出来た。


彼は中学校の国語の教員を目指しているみたいで
教職課程の科目を取っていて、家庭教師のバイトをしていた。


その為、デートの機会も限られていた。

彼は毎日忙しそうだった。

それでも彼は私に笑顔で接してくれた。

本当に優しかった。


そして、とある休日...私は彼の家に来ていた。



和:「にゃんにゃんにゃぎ♪」



○:「何それ...?」


友人の考えた必殺技を彼にぶつけたが
彼はぽかーんと口を開けていた。



和:「猫ですよ...///」


すっごい...恥ずかしいんだけど...!!美空のバカ!!



○:「猫か...可愛いね...」

和:「えっ...///」

彼はストレートに可愛いと言ってくれた。


○:「猫なら...にゃぎか...うん...可愛いよ...」


和:「"可愛い"を言い過ぎです...///」

○:「しょうがないでしょ...事実を言っているから...//」


彼は気に入っているようだった。

私は次の休日に猫耳をつけて、彼の部屋で過ごしたりした。

そして、猫耳をつけて"にゃんにゃん"したりと...///
彼は私の猫耳姿を気に入っていた。
彼との日々は幸せであっという間に12月になった。



12月17日、私は彼の家に来たのだが...


和:「○○さんってお酒飲まないのですか?」


彼はとっくに20歳になっていたのに
彼がお酒を飲んでいる姿を私は見たことがなかった。

〇:「普通に飲むけど和の前では飲まないようにしている。」


和:「え?どうしてですか?」

〇:「和はまだお酒が飲めない年齢でしょ?
だから、飲まないようにしている。」


和:「○○さん、真面目過ぎます。まるで先生みたい。」

生徒指導の先生みたい。

〇:「褒め言葉かな?」

和:「違います...」

〇:「それに和は猫だから
僕は飲まないほうが良いと思って。」

彼の言った意味が分からなかった。



〇:「これは軽いジョークだけどね(笑)」

本当に分からなかった。

和:「とにかく、私は○○さんのお酒を
飲んだ姿を見てみたいです!」

〇:「分かったよ...来週ね...」


渋々、彼は承諾してくれた。

そして、彼が私の前でお酒を飲む日は
クリスマスイブに決まった。


彼は酔ったらどんな感じになるのか私は楽しみだった。
泣き上戸になるのか甘え上戸になるのか
私は勝手に妄想していた。
妄想を膨らませながら、私は12月24日を迎えた。



和:「本当に酔っていますか?」

〇:「頭が少しだけぼーっとするかな?」

ビールを8杯飲んでも、彼は本当に落ち着いていた。


和:「つまらないです。」


期待して損した。


〇:「面白さを期待するものでもないから。」



和:「もう一杯、一気に飲んでください!」


私の合図で彼は9杯目を口にしたが

〇:「あれ?電話だ。」


彼の携帯が鳴り、彼は飲みかけのビールを
テーブルに置いて、電話に出た。

〇:「姉さん?え?今から?でも...10分だけなら...うん...。」


〇:「ごめん。和。10分だけ待っていて。」

彼の姉が近くに来ているみたい。
海外旅行で買ってきたお土産を渡したいから
エントランスまで来てと呼ばれたらしい。

和:「分かりました!」


彼は部屋を出ていき、この部屋は私だけになった。



和:「少しくらい飲んでもいいよね...///」


彼の飲みかけのビールを私は口にした。
いけないことをしていると分かっても止められなかった。

和:「マズい...」


と最初は感じたが少しずつ飲んでいくうちに
私の頭の中は高揚感に包まれた。


和:「遅いな~」



とっくに10分経ったのに彼は戻ってこなかった。
姉との会話が弾んでいるのだろうと
何となく想像することが出来た。


和:「お風呂、入ろうかな...///」


今日は聖夜だから、そういう雰囲気になると思い
私は一足早くお風呂に入ることにした。


和:「念入りに洗っておかないとね...///」

お湯を浴槽に溜めている間に
私はシャワーで体の汚れを落とした。


お風呂が沸きましたという電子音声が聞こえて
私は湯船にそっと浸かろうとしたのだが


和:「ふらふらする.....///」



アルコールの影響で上手く歩くことが出来ずに.........






和:「あっ...........」






私は_____________________





30分後





〇:「本当に姉さんの話が長い...」



10分で終わると言っていたのに
永遠と旅行のエピソードを聞かされた。



山:「まあまあ、それより...彼女さんはどこなの?」



和と話したいと姉が言ったため
僕は姉を部屋に連れてきた。

しかし、和は部屋にいない。トイレかな?


山:「あんた、ビールを飲んでいたの?」


姉がテーブルに散乱してた空き缶10個に視線を移す。


山:「お酒強いよね~あんたはお父さんに似て。
自分が強いからって彼女さんに強要しないでよ?」



〇:「分かっているって。
それに和はまだお酒を飲んじゃいけない歳だから。」

あれ?でも、さっき...僕は9杯目の途中だったような



記憶を辿ろうとしていると




山:「○○。お風呂の電気ついているけど...
電気代、勿体ないよ。」


と姉さんに指摘された。




いや、そんなわけない.......
あれはジョーク...物語だから...



〇:「姉さん、少し待っていて!」

山:「う、うん.......」




嫌な予感を感じた僕は浴室に向かい




○:「和...」


浴室の扉を勢いよく開けた______________







〇:「なぎっ...!!!!」







和:「..................................」



『吾輩は”にゃぎ”である』Fin

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