まるひ 妄ツイ

迷ったらハズむほう

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マガジン

  • 落としたのは恋心でした

    「これ…落としましたよ?」 これは心に傷を抱えた2人の物語。

  • 君と出会って

  • テスト

    マガジンなんてあるんかい。 これまとめモーメントの代わりになるやん、

  • 好きと気づいたその日から

    君が好きと気づいたその日から何かが動き出したんだ。

  • こんな悪魔は間違っている

    こんな悪魔…いるのか…⁉︎

最近の記事

落としたのは恋心でしたⅣ

朝、目覚めると遠藤さんに抱きつかれていた。 ○:遠藤さーん…。 こんなにぎゅっと抱きしめられていると、動きたくても動けない。 何度か呼びかけてみたけれど全く反応もなく、規則正しい寝息が胸元から聞こえるだけだった。 〇:仕方がないか...。 そう呟いて僕は再度眠りにつくことになった― 遠:ンンッ..ハッ⁉︎ ○:..。 遠:よかった...○○さん起きてない... 助かった。 抱き枕がないと眠れないなんて恥ずかしいこと絶対に言えない 私はこっそり逃げ出すように飛び

    • 落としたのは恋心でしたⅢ

      「本当に⁉︎」 ○:うん、僕でよけ.. 賀:嬉しい..!! 〇:うわっ..!? あの時の僕に飛びついてきたときの笑顔は今でも忘れられない。 その後行われたインターハイを遥香はみにきてくれた。 残念ながら一回戦敗退となったけれど彼女は試合が終わった後にかっこよかっただなんて言ってくれて僕もすごくうれしかったことをよく覚えている。 その後、付き合えたばかりということもあって、今週の一枚には僕の写真を選んでくれた。 でも、それは試合中の写真じゃなくて、アップ中に先輩と笑顔

      • 落としたのは恋心でしたⅡ

        遠藤さんと別れてから街をひたすら走って 気づけば元カノの家の前に来ていた。 ○:ハァッハァッハァッ…。 ?:○○…? ○:遥香…? 賀:どうしてここに…? 僕はなにも言わずに抱き寄せた。 ただ、その温もりが僕の心の傷を癒すと信じて。 賀:き、急にどうしたの…? ○:ごめん…なんでだろ… 心の中ではきっと求めていたんだろう。 遥香という存在を。 そして同時に気づくんだ。 自らの愚かさに。 「いこっ…?」 促されるがまま彼女の自宅に足を踏み入れた。 賀:ごめ

        • 君と出会ってⅦ

          「なーに読んでるんですかっ!」 ○:うわっ⁉︎ あ、井上さんか 井:小説ですか? ○:うん、まぁ 読んでみてって勧められてね 井:へぇ〜 ○:井上さんも本読むって言ってたよね? 井:たまにです 最近はアニメばっかりなので! ○:そっか 井:にしても、○○さん本読んでるの意外と似合いますね? ○:バカにしてる? 井:とんでもない! スーツ姿で本読んでるの雰囲気あっていいなって思いましたよ! ○:はいはい 井:えー信じてくださいよ! ○:それにしてもすっ

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        • 落としたのは恋心でした
          4本
        • 君と出会って
          7本
        • テスト
          1本
        • 好きと気づいたその日から
          7本
        • こんな悪魔は間違っている
          2本

        記事

          君と出会ってⅥ

          11:30 集合時間の30分前。 お店の前で集合は恥ずかしいからと近くの公園で集合することになっていた。 少し早く来すぎたかもしれないな そう考えながら周囲を一度見渡すと、僕が立っていた噴水から少し離れた木陰にあるベンチに写真の彼女はポツンと座って本を読んでいた。 ○:あの… さ:は、はいっ…!? ○:さくさん…ですか? さ:あ、えっと…は、はい… ○○…さん…ですよね…? ○:○○です よろしくお願いします さ:よ、よろしくお願いします… 自己紹介だけでも

          君と出会ってⅥ

          君と出会ってⅤ

          ピピッ 井:今日はありがとうございました! 長居しちゃってすみません ○:大丈夫 僕も井上さんとたくさん話せてよかったよ 井:私もです! ○:じゃおやすみ 井:はい!今度お洋服洗ってお返ししますね! おやすみなさい! 結局、また夕飯を食べるまで一緒にいた。 案外時間というものは過ぎるのが早いらしい。 井上さんは僕の貸した白いシャツと黒いパンツを履きこなして僕とファミレスに行った。 井:美味しいです ○:だね 井:なんだかんだファミレスっていいですよね

          君と出会ってⅤ

          君と出会ってⅣ

          翌朝を迎えた。 とりあえず昨日するべきことは全部してから眠った。 井上さんをベッドに寝かせていたこともあって昨晩は床に眠ったせいで体がガチガチに痛い。 起き上がって伸びをしてから机の上に置いておいた水を確認したが減っている様子はない。 今も彼女はぐっすりと眠っている。 だから井上さんが起きた時のためにインスタントの味噌汁でも作ることにした。 ―― ○:熱くない? 井:はい…大丈夫です… ○:よかった 井:すみません… ○:いいって 仕方ないよ あんなに飲んだんだし

          君と出会ってⅣ

          君と出会ってⅢ

          ピロンッ 「割となんでも読むんですけど、ミステリーが多いと思います。」 ○:ミステリー… 井:ん?なんか言いました? ○:え?あ、いや。 なんでもない。 井:そうですか ○:うん 井:そうだ 今日は焼肉を予約しました! ○:お、焼肉 いいね 井:でしょ! 食べたいなぁーってずっと思ってたんです! ○:僕も久しぶりに食べられて嬉しいかも 井:よかった〜 ほら、早く行きましょ! ○:あ、ちょっと! 井上さんに手を引かれて焼肉屋に着くと僕たちは10分くら

          君と出会ってⅢ

          君と出会ってⅡ

          「いいねが届きました」 1ヶ月やってきて初めての通知。 僕は恐る恐る相手を確認した。 「さく 28歳 東京」 本が好きです。 休みの日は一歩も外に出ないことが多いです。 簡素なプロフィール文に顔の写っていないプロフィール画像だけ。 見たところいいねの数もそれほど多くない。 きっとアイツなら 「やめとけ!そういう人ほど上手く行かずに終わりだし、もし上手くいって会う事になっても顔見たらお前が幻滅するかもしれないぞ?」 と言ってくるに違いない。 現にコツみたいなものを

          君と出会ってⅡ

          君と出会ってⅠ

          前の彼女と別れてからもう数年が経つ。 就職してからお互いに忙しくて、すれ違うことも多くて。 このままじゃダメだと思って僕から別れを切り出した。 初めは嫌だ別れたくないと何度も言っていた彼女も途中で諦めてそのまま別れることになった。 同:お前さ、そろそろ彼女とか作らないの? ○:うーん、まぁ歳も歳だしそろそろ結婚とかも視野にしなきゃいけない歳だよね… 同:なんかないの? ○:いや、まったく。 大体職場と家の行き帰りしかしてないし出会いなんてないし、当然始まりもしないよ

          君と出会ってⅠ

          落としたのは恋心でしたⅠ

          「ごめん、もう君とは付き合えない。」 高校生からずっと付き合ってきた彼女と別れることにした。 理由は彼女の浮気だ。 『待って…!私…変わるから…‼︎お願い…!』 「ごめん。もう、信じられない。」 サヨナラ。 そう言い残して僕はその場を後にした― 初めは信じられなかった。 まさか彼女が浮気をしていたなんて。 別れてから数日経った今もずっと好きだった彼女のことをそんなにすぐ嫌いになることなんてできなかった。 友:お前さ。いつまで経っても事実は変わらないと思うけど。

          落としたのは恋心でしたⅠ

          あの日へ

          古びた掃除用具入れ。 必要ないはずのダイアル型の鍵。 0518 ダイアルを回して扉を二回ノックして開くと向こう側には僕の後ろにある教室と同じ景色が広がっている。 そこへ足を踏み入れて直ぐに黒板に書かれた日付を確認する。 05月18日 この掃除用具入れ。 タイムマシンらしい。 いや、正確にはタイムリープマシン。 それを知ったのはつい1週間前のこと。 夏休み図書委員の仕事で本の点検をしていた時。 ある本からひらりと落ちた一枚のメモにこれ使い方が記されていたことがきっかけだった

          好きと気づいたその日から7

          部活動2日目にして早速御用だ。  放課後の部活動で先輩や同級生たちから沢山事情聴取を受け、帰りがけも井上さんからの事情聴取だ。 和:ねぇ、○○君今朝さくたんと手つないで学校来たでしょ? 〇:あれは突然桜さんに手をつかまれてそのまま... 和:さくたんのことは名前で呼んでるんだ。 〇:え?あ、まぁ... 和:ふ~ん。 〇:なんですか? 和:いや~? なんでも。 〇:絶対何かありますよね? 和:私のことは名前で呼んでくれないのに敬語もやめてくれないなんて悲しいな

          好きと気づいたその日から7

          始まる

          夏が始まった。 さわやかに晴れた夏の日。 涼しい風が時折吹き抜け、夏の匂いとともに彼女の髪がそっと靡く。 視界を黄色いっぱいに染める向日葵たち。 それに負けない笑顔をはじけさせるあの人の横顔に胸がドキドキと高鳴る。 横目でもその表情がはっきりとわかるのはきっと何度もあの笑顔を見てきたから。 初めはなんとも思っていなかったはずなのに今では見るたびに眩しく見える。 まるで太陽みたいに。 「○○君!もう少しだよ!」 彼女が僕を見てそう呼びかける。 それだけで嬉しくて口角が上がっ

          好きと気づいたその日から6

          ピロン 「和です。よろしくね」 『○○です。よろしくお願いします。』 オウム返しのように返事をするとすぐに既読がついて返事が返ってきた。 和:今何してた? 〇:部屋の片づけです。 引っ越しの荷物が全然片付かなくて。 和:そっか、引っ越してきたばっかりだもんね 〇:そうですね でも、あと一箱なので多分すぐに終わると思います 和:じゃあさ、ちょっとだけ時間を貰ってもいいかな? ○:時間をもらうって? 和:息抜きにお話ししたいなって 〇:いいですよ。 和:

          好きと気づいたその日から6

          好きと気づいたその日からⅤ

          井上さんと別れた後、昨日散歩で訪れたケーキ屋さんの前を通りかかった。 初めてのお店は緊張するものだが、勇気を出して入ってみることに。 カランカラン 恐る恐る店内に足を踏み入れるとバックヤードから同い年くらいの女性店員がちょうど出てきた。 「あ、いらっしゃいませ」 小さく会釈をしてショーケースの中を見渡した。 「プレゼントですか?」 〇:えっ、あ、まぁ...。 ?:やっぱり。 〇:どうして分かったんですか? ?:ふふっ、秘密です。 店員さんは笑顔でそう言っ

          好きと気づいたその日からⅤ