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ただ愛しただけ。 彼女に俺の気持ちを伝えた訳でもない。 彼女の好きなものも知らない…
俺との接点は、同じ空間に居ることだけ。方針は、課長へ伝え、直接指導も課長の役目だ。 …
日曜日、朝早く目が覚めていつものようにコーヒーを飲みながら、落ち着かない数時間を過ごし…
それから、3ヶ月。俺たちは、一緒にいる時間が増えていった。 俺の家に来ることも少な…
ユキの高校生の娘が、俺に会いたいと言ってきたらしい。ユキが俺のことを、ちゃんと話してくれ…
怒りなのか悲しみなのか、よくわからない。 ユキの娘が来る予定も消え、部屋で酒を煽ったが…
50歳も超えて役職もあるのに、恋愛が原因で会社を休むなんてどうかしてる。 何も食べず、コーヒーとタバコだけで、気がつけば夕方に。 ユキのことをどんなに怒りの感情で蓋をしようとしても、苦しくてたまらない。 執着、憎悪、妬み…ドス黒い感情に飲み込まれる。それでもユキの側にいたい…。
男は、強く居なければいけないという価値観の中で育てられる。弱音をはくことは、恥ずかしい…
俺は特に、地位や収入といった欲もない。 ユキがずっと笑顔で幸せでいられるなら、辞める…
朝食をとり、ユキを駅に送った。 ユキは、まだ一緒に居たそうだったが、そっと手を離して…
顧客開拓がうまくいかない。 起業で最初に躓くところとって言うのは本当だったんだな。 …
それから、上がったり下がったりを繰り返していたけれど、3年かけてやっと目標を達成でき…
外に出たら、ふーちゃんがユキに抱きついて泣いていた。 ユキは、優しくふーちゃんの頭を…
ユキと出会う前は、憎悪や執着や醜い感情にも気が付かずにいれたけど、半世紀、愛を知らないで生きていたから。その感情に翻弄されるのが嫌で、俺は逃げていただけだった。