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小さいことを気にする微生物マガジン

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「微生物」に関する話題をまとめています。小さいことから、細かすぎることまで。
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記事一覧

カメラや顕微鏡のレンズ掃除は「キムワイプ」じゃなく「シルボン紙」!

理系のみなさんにおなじみ「キムワイプ」。 10数年来、顕微鏡を使ってきた私。レンズを拭くの…

たんぱく?タンパク質?蛋白? とにかくややこしい表記の話

農芸化学会誌の2021年No.1の「巻頭言」にて、農研機構の山本和貴先生が『「蛋白質の蛋白との違…

「差がない」とは言えない!?非常にややこしい「有意差」のハナシ

微生物を専門にしている私をはじめ、生物系の仕事をされている方で「有意差」という言葉、お馴…

ビジネスと科学の「定性と定量」の違い

同じ言葉でも、ビジネスと科学の世界では意味合いが少し異なるものがあります。それが「定性」…

恥ずかしながら曖昧だった「誤差」と「不確かさ」の話

先日とあるセミナーを受講していたんですが、微生物の技術者としてそれなりの期間仕事をしてき…

「イケメンの条件」から考える、統計データの伝え方

学校と社会人の大きな違いの一つとして、こちらが説明する時の相手のスタンスの違いがある、と…

違うようで紙一重「薬と毒」「発酵と腐敗」

世の中全然違うように思えて、実は表裏一体のものってあります。 例えば、薬と毒。どちらも人体に影響を与えるものですが、効果が副作用を上回れば「薬」、その逆が「毒」というわけです。 使用する量や方法によって「毒」にも「薬」にもなるものがありますね。例えば食塩だって、過剰に摂取すれば中毒症状があらわれてしまいます。 発酵と腐敗も同じような関係にあって、どちらも微生物による作用ですが、人に有益であれば「発酵」、有害であれば「腐敗」なのです。発酵食品が人によっては「腐ってるじゃな

風呂場のカビはなぜ生える?微生物の立場で考えた。

風呂場のカビ、梅雨時期には本当に気になりますよね。 カビが生える理由は、 ・温度 ・湿度 …

微生物の視点で見ても複雑な「ヨーグルト」の世界

日本人にとって非常に馴染み深い発酵食品といえば「ヨーグルト」。 日本では様々な種類のヨー…

「名は体を表す」とは限らない、鉄還元菌のハナシ

肥料の3大要素は「窒素」「カリウム」「リン酸」と言われています。稲を育ているような水田で…

ピペットマンを「トントン」しちゃダメな話

バイオ研究者にとって、箸よりも日常的に使う「マイクロピペット」。数十分の一ミリリットルと…

カビとキノコ、真菌の世界

意外とわからない、カビとキノコの違い。そりゃ、見たらカビとキノコくらいわかるでしょ!...…

"古"くはない"古細菌"という生き物

「古細菌」という生物分類があります。「古」という字はついていますが、古代に絶滅した細菌で…

微生物研究につきものの「お金」の話【2024.6.2更新

「地獄の沙汰も金次第」という言葉があります。 どんなことでもお金さえあればなんとかなる、という気はないんですが。それでも最近の微生物研究は、ほんとうにお金がかかるようになりました。お金がないとなんともならない、という状況は確かに存在します。 半端ない値下げの遺伝子解析すっかり世間に定着してしまった「PCR」をはじめとした「遺伝子解析」。遺伝子解析の世界を大きく変えた装置として「次世代シークエンサー(NGS)」があります。「次世代シークエンサー」は遺伝子解析を大量に、しかも