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痛んでも、春が来るのなら _ 詩

啄木鳥が嘴で突っつく月
嘘つきが唇で引っ掻く傷
加湿器が暗闇で引っ張る頬
息継ぎが悲しみで真っ赤な胸
次々と消去しても生まれる本音
浮き沈み怒り狂って愛だと言う欺瞞
咲き乱れ桜に重ねて散っても不満
切先にピンク色が飛び跳ねて春来
昨日と希望が入り混じる空に春雷
啄木鳥が傷つき突っつく月
世界中の夜を集めてひっつく肌
ひとりぼっちだとまた戻ってくる闇
ひとりぼっちでもまだ失くさない光

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